35-3 お茶飲みメンバー
「でも、一番の曲者はシルビアだよね」気恥しさから話題を変えると「そうだな」
「そういえば、最初の頃はシルビアに突っかかってたよね? どうして?」
「ああ、気付いてたのか。あれは、兄貴に雰囲気が似てるのに、正反対の性格で素行もだらしなかっただろう? だから、兄貴のイメージを崩されたようで、腹が立ったんだ」
「そうなんだ」納得すると「でも、あとでジェシーが、前はあんなんじゃなかったらしいよって言ってたよ」
「俺もシルビアと盗聴器の録音確認をしてたときに聞いたら、兄貴たち家族の敵を討つために、わざとあんな格好をして情報を集めてるんだって言ってたよ」
「兄貴たちの幽閉場所を教えてあげなかったの? そういえば、ショウを捜してたって言ってたね」
「人間の俺なら生き残ってるだろうから、兄貴たちの幽閉場所を聞きたかったと言ってたけど、今さら復讐しなくても、兄貴たちが生まれ変わってくるまでに、今の状態を終わらせておけば、それが一番うれしい事じゃないかって言ったら、納得してくれたよ」
「そうなんだ。そうだよね。私もそう思う」大きく頷くラル。
「でも、俺が一緒に暮らしてたときの兄貴たちの話を聞きたいってリクエストには、答える代わりに、俺の知らない兄貴たちの話が交換条件だって言ったら了承してくれて、いろいろ話してくれたよ」
「たくさん話してくれた?」
「ああ。俺の知らない子供の頃のことや、王国にいたときの生活や、どんなことをして遊んでたとかを聞いたよ」
「そういえば、兄貴たち家族が「水の貴族」の伯爵だとは思わなかった」
「「水の貴族」の中では中級だとシルビアが言ってた」
「貴族の階級はみんな同じだから」
「しかし、ジェシーやシンシアは侯爵だろう? 公爵はどうしたんだ?」
「それは……」ラルが言葉を濁すので、ピンときたショウが「ここにも何か問題があったのか?」
「……カテリーナの件とは別なんだけどね。私たちが生まれる前のことだから」
「それで、「水の貴族」の公爵は今後も存在しないのか?」
「ううん。シンシアが結婚したら公爵になる」
「ジェシーじゃないのか?」
「彼は弟だから、侯爵を継ぐことになる」
「性別は関係ないのか」
「そうだよ? なんでそんなこと聞くの?」聞かれた意味がわからず首を傾げるので「いや、人間の世界では、かなりの確率で男が優遇されるから」
「……ランクが上の公爵になるのは、男のジェシーだと思ったってこと?」
「……まあね」
「そんなの不公平じゃない」
「そうだよ」
「……そうじゃないよね?」
「そうだよ」
「……私の真似をしてるように見える」
「そうだよ」
「逆三段論法?」
「それはちょっと違うな」
「そのことを言ってるんじゃない」




