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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
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4-1 再びご対面

 

 この中も、両脇に鉄格子がはまった部屋が幾つも並んでいた。


 足音を殺して一つずつ牢の中を見ていくと一番奥のところで止まり、右側の牢の前にかがんで中を見ると、十歳くらいの少女が部屋の隅で座りこみ、こちらを見ている。


「助けにきたわよ」小声で声を掛けると、最初は戸惑っていたが立ち上がり、牢の真ん中まで歩いてくる。


「大丈夫。私はあなたの味方よ」


 少女は声の主の顔を見ると、少しして駆け寄ってきた。

 彼女も見事な銀髪をしている。


「今、鍵を開けるからね」


 鉄格子についている電子キーを押し、ロックを解除すると扉を開け「さあ、出てきて」少女が牢から出てくると「そこまでだ! 動くな!」後ろから鋭い声がして「そのまま両手を()げろ!」


(なんですって? なぜ警備員がいるの? この時間、この中には誰もいないはずよ)


 不意の声に驚きながらも指示に従い、立ち上がって両手を挙げると「よし。ゆっくりこっちを向け」


(さて、どうしたものか)

 頭の中であれこれ考えながら振り向くと、向かいの牢の中から知った顔が手を振っていた。


「よおキラ」

「エッ……ショウ?」


「悪いなあ。また助けにきてくれたんだ」

「……こんな所で何してんのよ~」緊張が一気に惰性(だせい)に変わり、全身の力が抜けていく。


「何って、見りゃあわかるだろう?」

「そんなに(おり)の中が好きなら動物園にでも行ったら? 気が済むまで入ってられるわよ!」

「俺は猛獣じゃねえぞ」


「そんなこと言ったら猛獣が気を悪くする」冷ややかに言い返すと「さあ、また余計な時間を食ってしまったわ。急ぎましょう」


 何が起きているのか理解できなくて、キョトンとしている少女の手を引いて歩きだすと「おいおい、また置いてこうとする。俺も出してくれよ」


 鉄格子を(にぎ)り、(すが)るような顔をするので「あら、檻の中が好きなんでしょう?」言い返して歩きだすと少女が立ち止まり「お姉ちゃん、お兄ちゃんも助けてあげて」


「エッッッッ!」

「置いてったらお兄ちゃんかわいそう」


(このシチュエーション、確か前回もあった)


「アンジュは優しいな」

「お兄ちゃん待っててね。今、お姉ちゃんに鍵を開けてもらうから」

「ありがとう」


(こいつ、ちゃっかり名前を聞きだしてる)


「お姉ちゃん、お兄ちゃんの牢の鍵を開けてあげて」


 服を引っ張るアンジュを見て(前回のように、ダメだと言ったら、残ると言いだすんじゃないでしょうね?)と思いつつ「ダメよ。わかるでしょう?」と言うと「お兄ちゃんを出してくれないんだったら、私も残る!」


(……やっぱり)思ったとおりの言葉が返ってきた。(アイツ、何者なの?)牢の中にいるショウを(にら)む。


「お姉ちゃん、早く出してあげて」

「……わかった」仕方なく鍵を開けると、出てきたショウにアンジュが()けよる。


「ロリコン」

「な、何だと!」


「こっちに来なさい! その男は危険よ!」アンジュの手を引き、通路を戻るとドアを開けて前の部屋へ戻る。


「待て待て待て! ロリコンてなんだよ! 誰が危険だって!」小声ながらも強い口調で文句を言いながら付いてくるので「静かにしなさい! 見付かるでしょう!」小声で言い返し「ロリコンを知らないの?」冷たい目を向けると再び歩きだす。


「知ってるよ! だから、なんで俺がロリコンなんだよ!」

「自分がよく知ってるでしょう!」


 メイン通路に出ると「お前が、イテテテテッ」耳を引っ張り「シッ、誰かくる」コツコツコツッと足音が聞こえてくる。


「ゲッ! どうする? ここにいたら見付かるぞ!」

「ここ。この中に隠れて!」



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