33-3 予測装置
「本当に、大人しくしてないとダメだからな。まだ貧血の薬を飲んでることを忘れるなよ」
「……わかってる」
「今も、ダルくなったから横になってるんだろう?」
「……うん……」カップを持ったまま、上目遣いでショウを見るので「文句は却下する」
「なにも言ってないもん」
「顔が文句言ってる」
「元々こんな顔だし」
「そういうのをなんて言うか知ってるか? 捻くれるって言うんだ」
「捻くれてやる」
「ククッ」
「なんで笑うの!」
「ああ、興奮しちゃダメだぞ」
「させてるのは誰!」
「俺か?」
「俺だ」
「……頼むから、笑わせないでくれ……」声を出さず、肩を震わせるので「我慢しないで、声を出して笑えばいいじゃん」不機嫌丸出しの顔をするので「まったく、お子様ラルちゃんはすぐふてくされるんだから」
「ふてくされてなんかいないもん」
「週末に行われる、フェルティバルのイベントに出るつもりだったんだろう? 本当に「森林の迷宮」が張られてるのか確かめるために」
「……」何も答えずに不機嫌な顔をしているので「なぜ行きたいんだ? 理由があるだろう?」
「……べつに」
「こういうときの質問に、べつに、と答えるときは、必ず何か理由があるんだよな」
「……べつに」
「ラル」
「べつに」
「かわいいラルちゃんになる服を買ったのは?」
「……ショウ」
「イベントに参加しようとする理由は?」
「……べつに」
「……今回はしぶといな。仕方ない。マンゴープリンは当分の間お預けだな」
「なんで!」
「ああ、ほら、興奮しない。先生に怒られるぞ」
「なんで?」
「じゃあ、イベント参加理由は?」
「……べつに!」
「ラル。なぜ言えない」
「べつに」
「お前はオウムか?」
「べつに」
「じゃあ、どうしたら話してくれるんだ?」
「……べつに」
「わかった。冷蔵庫にあるマンゴープリンは俺が食べる」立ち上がると「ダメ! あ……」ラルが後ろに倒れるので「ラル!」慌てて支える。
ベッドにいたので、枕に寄り掛かる状態で済んだ。
「大丈夫か?」
「……ダメ」
「大丈夫、食べないよ」
「私の……」
「まったく、また先生に怒られるな」ベッド脇にある小さな冷蔵庫から冷たいタオルを取り出すと、首の後ろにあてて興奮を抑える。
「そんなに「森林の迷宮」が張られてるか調べたいのなら、ジェシーたちに頼めばいいだろう?」
「ジェシーたちじゃダメなの」
「どうして?」
「どうしても」
「……とはいえ、俺が出ていいと判断することができないから、先生に聞いて、許可が出たらだな。でも、今の状態で今夜聞いたら、ダメだと言われそうだな」
「……明日聞く」
「そうだな」




