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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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33-2 グループ結成


「カルボナーラって、ベーコン入ってないか?」ショウが聞くと『このホテルは、大豆で作った、ベジタリアン用の代替えミートがあるんですよ』


『やっぱりパスタを頼んでるんじゃねえか!』

『アッ、しまった』


『シルビアも、クラブサンドの肉を、代替え用ミートにしてもらえばよかったのに』ジェシーが、肉が入ったクラブサンドのお皿をショウのほうへ動かす。



 今後の予定を確認後、グランチェストとの会食があるのでジェシーとシルビアが部屋に戻ると、ラルは室内のドアを通って自分の部屋に戻った。


 エアコンを入れてパジャマ代わりのスウェットに着替えると、ベッドに横になる。


「フゥ、疲れた……」


 いろんなことが起きたので気が張っていたが、落ち着くと疲れが出てくる。


「まだゆっくりできない。シンシアに連絡しなきゃ」起き上がるとベッド脇に置いてある細長いテーブルを引きよせ、上に乗っているノートPCの電源を入れると、メールを作成する。


 まず、ジェシーのグループと行動することになったこと。

 彼らと一緒に、正体がわからない領主、オルトの領地に行くことになったこと。


 そのため、しばらくは本部に戻らないので、療養所の仲間のケアを継続してほしいこと。


 お茶飲み友達のカテリーナが行方不明になっていることと、彼女について、なにか情報を知っていたら共有してほしいこと。


 ご老公の領地であるアルビオンの南、シンシアが調査していた禁足地は、もしかしたら、ラビリントゥス シルヴェストリス「森林の迷宮」の結界が張られている可能性があること。


以上を書き込むと、またメールすると追記して送信する。


「どんな返事が来るかな? カテリーナのこと、何か知ってるといいんだけど」


 サイドテーブルに置いてあるティーセットを持ってくると、暖かいお茶を入れる。


 ラルのお茶飲み友達は全部で五名。


「水の貴族」のシンシアと「火の貴族」のカテリーナ。

 あと「土の貴族」と「風の貴族」の二名は連絡が取れないので、現在どうしているのかわからない。


「早く今の事態が収束して、前のような生活に戻りたい」


 そう思いつつも、そうなると王国へ戻らなければならないので、ショウと別れることになる。


「それは、最初からわかってたことだから……」

「なにが最初からわかってたんだ?」


「エッ?」驚いて声のするほうを見ると、ノートPCを持ったショウが、続きドアのところに立っていた。


「なにがわかってたことなんだ?」ベッド脇に来ると、細長いテーブルの上にノートPCを置いて座る。


「今の状態が収束したら、国に帰らないといけないこと」

「ああ、そんなこと言ってたな」


「アディに、ルナノヴァへ行くことになったから、現地調査員に連絡してくれるようにメールした?」


「ああ。さっきメールを送った。ついでに、レンにもメールして、大陸に来てたらどこにいるのか教えてほしいことと、相談したいことがあると書いたから、連絡をくれるだろう」



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