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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
59/725

34 話し合い

 

 コテージの居間。

 向かい合ったまま、一言も話さない。

 どのくらい時間が経っただろう。しびれを切らしてショウが口火を切った。


「先に、俺の意見から言っていいか?」

「……どうぞ」


「確かに俺はグループに入ってない。しかし、彼らを助けたいという気持ちはお前たちと同じだ。

 同じことをしてるのに、なぜ受け入れてくれないのか、ちゃんとした理由を聞かせてくれない。

 その事に俺は(こだわ)りすぎてた。納得のいく理由を聞かせてもらうまでくっ付いててやると、いつの間にか視点がズレてた。

 理由はもういい。言えないことを問い詰めて悪かった」


「……私も意地を張りすぎてたわ。あんたの意思はわかってるのに、素直に聞いてあげなかった」


「お前が隠してることは話してくれるまで聞かない。俺が見たらマズいものは見せなくていい。都合が悪いことを聞いたときも答えなくていい。だから、彼らを助ける仕事を一緒にやらせてくれないか?」


「それでいいの?」

「ああ」

(いづ)れ、聞きたくなる衝動(しょうどう)()られるわよ」

「お前が話してくれるまで待つ」

「我慢できるの?」

「……ああ」


「何もわからないまま、一緒にできるの?」

「必要最低限のことだけ、教えてくれればいい」


「……あんたのイラつく気持ち、わかる。もし私があんたの立場だったら、同じことをしてると思う」

「どうしても話せないんだろう?」

「……ええ」


「俺も、気持ちに余裕がなかった。言えないお前の立場を理解できなかった」

「いいのよ。あんな言い方をした私がいけないんだから」

「彼らを助けることがメインなのに、くだらないことで突っ掛かってすまなかった」


「ううん、私も意地になってたの。一人でも大丈夫なんて思ってたから。今回は助けてくれてありがとう。まだちゃんとお礼を言ってなかったわ」

「礼なんていい」

「ひどいこと言って、ごめんなさい」

「……もういいよ」


 また少し沈黙が続く。


「これからの事だけど、一緒に行動していいか? さっき言った条件で」

「でも……」

「まだ条件が足りないか?」

「いえ、そうじゃないの。私一人では決められないから」


「そうか。じゃあ、グループに聞いてみてくれ」

「……あとで伝えとくわ」

「ところで、今回の情報だけど」

「それは……」


「今回くらいは手伝っていいだろう? 話の内容を知ってしまったんだから」

「本当に聞いてたの?」

「まだ疑ってるのか?」

「……」


「この近くに彼らが監禁されてる場所があって、その情報をもらった」

「……ええ」

「手伝わせてくれないか?」

「……そうね」


「サンキュウ。で、その情報だけど」

「これからグループに報告して、調べてもらうわ」

「グループからの情報じゃないのか?」


「……彼が、ここにいたとき、偶然、(つか)んだ情報なのよ」

「……そうなのか」

「報告がくるまで待機よ。動くのはそれから」

「わかった」

「これから連絡するわ」


 サンドイッチを持って部屋に戻ったキラは、グループへメールすると携帯を持ってベランダへ出て、階段を降りると、コテージが見えない所まで行って電話をかける。


『もしもし、私です……ええ、一緒に行動することにしました……大丈夫です。そこのところは上手くやりますから……ええ……下手に動き回られるよりマシですから……それと、今メールを送った件、調査と手配をお願いします。じゃあ、連絡待ってます』


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