34 話し合い
コテージの居間。
向かい合ったまま、一言も話さない。
どのくらい時間が経っただろう。しびれを切らしてショウが口火を切った。
「先に、俺の意見から言っていいか?」
「……どうぞ」
「確かに俺はグループに入ってない。しかし、彼らを助けたいという気持ちはお前たちと同じだ。
同じことをしてるのに、なぜ受け入れてくれないのか、ちゃんとした理由を聞かせてくれない。
その事に俺は拘りすぎてた。納得のいく理由を聞かせてもらうまでくっ付いててやると、いつの間にか視点がズレてた。
理由はもういい。言えないことを問い詰めて悪かった」
「……私も意地を張りすぎてたわ。あんたの意思はわかってるのに、素直に聞いてあげなかった」
「お前が隠してることは話してくれるまで聞かない。俺が見たらマズいものは見せなくていい。都合が悪いことを聞いたときも答えなくていい。だから、彼らを助ける仕事を一緒にやらせてくれないか?」
「それでいいの?」
「ああ」
「何れ、聞きたくなる衝動に駆られるわよ」
「お前が話してくれるまで待つ」
「我慢できるの?」
「……ああ」
「何もわからないまま、一緒にできるの?」
「必要最低限のことだけ、教えてくれればいい」
「……あんたのイラつく気持ち、わかる。もし私があんたの立場だったら、同じことをしてると思う」
「どうしても話せないんだろう?」
「……ええ」
「俺も、気持ちに余裕がなかった。言えないお前の立場を理解できなかった」
「いいのよ。あんな言い方をした私がいけないんだから」
「彼らを助けることがメインなのに、くだらないことで突っ掛かってすまなかった」
「ううん、私も意地になってたの。一人でも大丈夫なんて思ってたから。今回は助けてくれてありがとう。まだちゃんとお礼を言ってなかったわ」
「礼なんていい」
「ひどいこと言って、ごめんなさい」
「……もういいよ」
また少し沈黙が続く。
「これからの事だけど、一緒に行動していいか? さっき言った条件で」
「でも……」
「まだ条件が足りないか?」
「いえ、そうじゃないの。私一人では決められないから」
「そうか。じゃあ、グループに聞いてみてくれ」
「……あとで伝えとくわ」
「ところで、今回の情報だけど」
「それは……」
「今回くらいは手伝っていいだろう? 話の内容を知ってしまったんだから」
「本当に聞いてたの?」
「まだ疑ってるのか?」
「……」
「この近くに彼らが監禁されてる場所があって、その情報をもらった」
「……ええ」
「手伝わせてくれないか?」
「……そうね」
「サンキュウ。で、その情報だけど」
「これからグループに報告して、調べてもらうわ」
「グループからの情報じゃないのか?」
「……彼が、ここにいたとき、偶然、掴んだ情報なのよ」
「……そうなのか」
「報告がくるまで待機よ。動くのはそれから」
「わかった」
「これから連絡するわ」
サンドイッチを持って部屋に戻ったキラは、グループへメールすると携帯を持ってベランダへ出て、階段を降りると、コテージが見えない所まで行って電話をかける。
『もしもし、私です……ええ、一緒に行動することにしました……大丈夫です。そこのところは上手くやりますから……ええ……下手に動き回られるよりマシですから……それと、今メールを送った件、調査と手配をお願いします。じゃあ、連絡待ってます』




