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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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29-2 新たな容疑者

 

『意外な事実がありましたね』大きく息を吐いて涙を拭くジェシーが『まさか、シルビアが捜してる人がショウだったなんて……』


「私も驚いた。兄貴たちの話は前に聞いてたけど、まさか「水の貴族」のウィスチェスト伯爵の弟さん家族だとは思わなかった」


『名前は聞かれてなかったんですか?』

「ええ。話すのがまだ辛そうだったから、いろいろ聞くのはよくないと思って」


『でも、これで、あなたの任務のパートナーの資格はあったとわかりました』

「資格?」


『ここまで僕たちと関わりを持ってるのであれば、先ほどのように、人間はダメだと、頭から否定されることはないということです』


「……それは」


『お話の途中ですみません』ジュリアスが話に入ってくる。『タンデルチェスト元子爵について、詳細が分かりました』


『もう? 早すぎないか?』聞き返すジェシーが『今、どこで何をしてるんだ?』


『元子爵は六年前に亡くなっています。心不全だそうです。

 父親の事件で離縁された娘と母親の三人は国外追放後、人間の世界へ行き、地方の小さな村で農業を営んでいたそうです。


 しかし、父親が心不全で亡くなり、母子二名で農業を続けていたそうですが、その村に狩り人が現れ、寸でのところで逃げたそうですが、その後、行方不明です』


『行方不明なのか。国外追放されたといっても、今は一名でも多くの仲間を保護しなければならないから、捜す必要があるね。ジュリアス。捜査リストに追記しといてくれないか?』


『わかりました。因みに、父親が起こしたと言われている、娘の結婚相手の次期侯爵に催眠術を掛け、操り人形にしようとしたことは、策略だと一部で噂になってます』


『罠に掛けられたっていうのか?』

『父親は、最後まで容疑を否認してました』


「怪しい臭いが充満してきた。否認してたのに、どうして国外追放になったの?」


『その時の裁判官が、確たる証拠が提出されてるので、否認しても印象を悪くするだけだとしたそうです』


「ずいぶんと乱暴に推し進めたみたいね。実はその事件、珍しく父様が調べてたから、覚えてたの」

『レイングヴァルドル公爵が? なぜ興味を持たれたのでしょうか?』


「タンデルチェスト元子爵と、何かの調査を一緒に対応したことがあったと言ってた。その時の印象が、温和で真面目な性格だったから、そんな卑しい事件を起こすことは絶対ないって」


『実は、タンデルチェスト元子爵の妹君からも、異議申し立てがあったようですが、却下されてます』


『かなりきな臭くなってきましたね』呟くジェシーが『ジュリアス。今回のことと関係あるかわからないけど、その事件に関わった者のリストを作ってくれないか。もしかしたら、聞いた名前があるかもしれない』


『すぐに作成します』

「ジェシー、なにを考えてるの?」


『あなたの思考にも横切ったことです。今回の騒動を起こした動機が、別の理由からかもしれないですよ』



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