28-2 意外な繋がりとの出会い
「シルビア・ウィスチェスト?」ポカンとするショウに『ジェズは、俺の親父の弟の息子だ』
「親父さんの弟?」
『お前が、叔父が言ってた「生まれた、場所を、間違えた息子」か……』
「それは、親父さんが、言ってた言葉だ……」
『俺の親父と叔父は仲が良くて、俺とジェズも年が近くて、趣味も一緒だったから、その盗聴器、イヤ、小型録音機は、俺とジェズ、二人で作ったものなんだ』そう言って、ポケットから取り外してきた盗聴器を取り出すと、ショウが作った物と同じだった。
テーブルに置くと区別がつかない。
「だから、どうして同じものを持ってるのか、聞いたのね?」驚いて動揺するショウに寄りそうラルが聞くと、シルビアは頷き『こんな、ところで、ジェズの……奴の……弟に、会えるなんて……思わなかった……』
「エッ?」
『俺たちは、毎週末になると、連絡を、取り合って、たんだ。ある日、新しく、頭のいい弟が、出来たと、言ってきた。
間違えて、人間に生まれて、きたけど、俺たちと同じ、「水の貴族」の、仕来りどおり、名前の頭文字に、「シ」が付く、名前だから、親父が、俺の息子だと、嬉しそうに、言ってたって……』そこで、シルビアが泣き崩れる。
『シルビアは、あなたを、捜してたんですよ』涙を拭くジェシーが彼の肩を叩きながら『叔父家族の、唯一の生き残りの、あなたを、捜すために、僕と一緒に、行動することを、志願、したんです』
「俺を、捜す?」
『最後まで、彼らの返還を、要求する訴えを、幽閉先の前で、ずっと、行ってたんですよね?』
「すみません!」頭を下げるショウ。「助けられなかった! あんなに優しくてくれた兄貴を、絶望から救ってくれたダチを救えなかった! すみません!」
『お前が、友人たちと、ジェズたちを、解放するよう、幽閉先の前で、訴えてくれた、ことを、あとから、支援、してくれた、人間たちから、聞いて、お前を、捜そうと、思った』
「俺は、何もできなかった……何もできずに、兄貴たちの、亡骸が、埋葬……されるのを……見てる、こと、しか……」
「ショウ……」声を震わせて顔を両手で覆う彼に「あなたは、出来るかぎりの事をしてくれたから……」
『……そうだ』涙を拭くシルビアが顔をあげ『心配するな。奴らはまた、「水の貴族」として、生まれ変わる』
「エッ?」ショウが涙で濡れた顔を上げると『亡くなった後、二十四時間以内に、汚染されていない、沼か湖に、亡骸を沈めると、前世の記憶を持ったまま、復活するんだ』
「復活の儀式を行ったの?」ラルが聞くと『近くにキラのチームがいて、埋葬された晩に、対応できた、そうです』
「……本当?」うれし泣きするラル。
「じゃあ、埋葬の翌日、掘り起こされてたのは?」ショウが聞くと『そういう、ことだよ』
「しかし、親父さんやお袋さんが……」
『……叔父たちは、間に合わなかった……』
「……そんな……」再びショウが頭を抱えると『これで、終わりじゃ、ない。また、生まれ、かわって、くる……だから、俺たちは、シルバーフェニックスと、呼ばれてるんだ』




