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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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27-2 週末のイベント

 

『そのイベントには、誰でも参加できるのか?』ジェシーが聞くと『エントリー基準はありませんね。誰でも参加できるようです』ジュリアスが出場要項を確認する。


『そうなると、仕掛けがあるかもしれないから、用心しないといけないな』

「どんな仕掛けがあるの?」


『まあ、あの鏡が置いてある可能性があるわけですけど』

「この大陸で狩りをすることは禁止されてるのよ」


『もちろん。大々的に狩りをするわけじゃないですよ。例えば、通りから見えない場所に鏡を置いて、鏡が反応した者を待機してた者が尾行し、捕獲する、とか』


「……なるほどね。本当に腹が立つ方法を思いつくわね」

『だから、僕たちはイベントに参加しないほうがいいでしょうね』


「でも、今のはジェシーの予測でしょう? 本当にそんなことしてるかわからないから、事前に調査して、その結果を見て決めるほうがいいと思うけど」


『もちろん調査しますよ。問題は、僕が言ったことと同じような仕掛けがあったときの対処法です。できれば堂々と屋敷に入りたいですからね』


「なるほど。ショウなら喜んで参加するでしょうね」


『鏡以外に、障害になるものはないのか?』ジュリアスに聞くと『ありますよ』と即答。『領主にじかに会えて、話ができるんですよ。「優勝」というポジションを狙う輩はたくさんいますからね』


「つまり、横取りするハイエナがいるってことね?」


『そうです。その為、イベントに参加するには、三人一組でエントリーしなければなりません』

「一人じゃ危険だとわかってるのに、規制しないのはいただけないわね」


『要するに、賢い者が勝ち残る、ということですよ』

「イベントじゃなくてサバイバルゲームじゃないの」

『イベント イコール サバイバル ですよ』


『しかし、人間にはあの鏡を見分けることはできません。もしどこかに仕掛けられてたらどうするんですか?』相変わらずつっけんどんな言い方をするジュリアスに「ショウは何枚も本物の鏡を見て触ってるから、額縁を見れば判断つくそうよ」


『そういえば、変わった模様が刻まれてるみたいだね』

「同じ配列の模様が刻まれてるって言ってたわよ」


『……そう、なんですか。それはすごいですね』珍しく褒めるかと思いきや『しかし、鏡を見破れたとしても、鏡の傍で見張ってるオルト側の人間や、権利を横取りしようとする低俗な人間が襲ってきたら、足手まといになるだけですよ。僕たちと違って特殊能力を持たない人間は、走って逃げることしかできませんから』


「ショウにはエミアたちが付いてるから、私たちと同じように危険を回避することができるわよ」

『エミア様が……そうでしたね……』


「頼りになると、素直に言うほうがスマートよ」

『……考えておきます』



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