25-4 誕生日パーティ
最初にケーキを渡したジェシーのお皿にお替わりを入れると、ウエイターが持ってきた小皿に取り分けていき、もう一人のウエイターが子供たちのところへ持っていく。
「ケーキだ!」
「おいしそう!」
「いただきます!」
嬉しそうな子供たちの声を聞いて、笑顔でケーキを食べるジェシー。
ラルも食べはじめると「どうしてこんなにおいしくできるのかしら?」
「さすがシェイン。ここの名物になるよ」隣のショウも一口食べて驚く。
『このシャンパンと合いますね』
「ジュリアスにこれ以上飲ませるな!」
ショウがグラスを取りあげると『コーヒーをどうぞ』別ワゴンでコーヒーセットを持ってきたウエイターが、間髪入れずにカップを置くので『まあ、いいでしょう』カップを持って香りを嗅ぐと、一口飲んでケーキを食べる。
「……暴れるかと思った」動悸がするラル。
「いつの間に頼んだんだ?」テーブルの端にグラスを置くショウ。
『それは、僕が頼んだシャンパンです』とジェシーが言うので「ジュリアスが少し飲んじゃったぞ」グラスを渡すと『隣の席だから、自分のだと勘違いしたんですね』
おいしいケーキに舌鼓を打つジュリアスを見ると『シルビア。シェインになにを頼んだんだ?』コーヒーが苦手なので、アイスティーを飲んでいる彼に小声で聞くと『まあ、あとで話すよ。せっかくの気分が壊れるような話だからな』
『そうか。わかった』
「俺たちも同席していいかな?」ショウがジェシーに聞くと『もちろん』と言うが『あんたが聞いても、なにもできねえよ』嫌味を言うシルビア。
「ヘェ、なにか仕掛けるのか?」
『そんなこと言ったか?』
「なにもできねえって言うから、なにかやるのかって思っただけさ」
『ああ、そうだよ。でも、人間様には無理だからな』
「じゃあ任せる。失敗すんなよ」
『なんだと?』
『三回目の注意を受けたい?』ジェシーが苦笑する。『同じ注意を三回されたら、どうなるかわかってるよね?』
『聞き分けがなかったら、クビにすればいいんですよ』食べ終わって口の周りを拭くジュリアスが『トラブルメーカーは足を引っ張りますからね』
『お前にだけは言われたくねえぞ!』目くじらを立てるシルビア。『お前が先にクビにされろ!』
「あなたも、ジュリアスに負けないくらい、ヘンだよ」面と向かってラルが言うので『ちょっと! 勘弁してくださいよ! あんなのと一緒にしないでくださいよ!』
「俺もそう思う」
『お前は黙ってろ!』
「どうしようかな?」
『どうしようかじゃねえ!』
『三回目、言おっか?』
『どうして俺だけ? こいつはいいのか?』ショウを指さすので「ショウも同罪になりますよ」
「わかった。気を付ける」
いつものショウらしくない言動に、なにが起きてるのか気になるラルが、残りのケーキを食べる彼の横顔を見る。




