表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
569/725

25-2 誕生日パーティ


 ワゴンに乗った大皿に、おいしそうなオードブルが乗っている。

 ウエイターが手際よくテーブルにお皿を並べていくと飲み物を配り、一礼して下がっていった。


『そういえば、僕たちは、肉類は……』

「ちゃんと伝えてあるよ。だから、チーズや卵は使ってるけど、肉類はないだろう?」


『俺たちが食べられないものを、よく知ってるな』少し嫌みのニュアンスが感じられるシルビアの言い方に、ショウはイヤな顔をせず「今も、保護団体で静養してる彼らと話してるからな」


『ありがとうございます』ジェシーが頭を下げるので「君がそんなことする必要ない。当然のことなんだから」


『だよなあ』相変わらずのシルビア。悪びれることなくビールを一気に飲んでいる。


「とにかく、飲み物が来たから乾杯しましょう」ラルがグラスを持つと全員もち「では、ジェシー、二十歳の誕生日、おめでとう!」


 すると、周りの席に座っているほかの客たちが拍手しはじめるので『ありがとうございます』ジェシーが嬉しそうに頭を下げる。


 乾杯が終わるとそれぞれオードブルを取り、食べはじめると『誕生日を祝ってもらうのは何年ぶりかな?』嬉しそうに白ワインを飲む。


『僕の誕生日は二ヶ月後なのですが、僕のときも、このような豪勢なパーティを開いていただけるのでしょうか?』


 相変わらず硬い言い方のジュリアスだが『プレゼントはいただけるのですか?』子供みたいなことを言い出すので『お前、いくつになるんだ?』シルビアが揶揄(からか)うと『いくつになっても、プレゼントはいただきたいものです。シルビアは欲しくないのですか?』


『いらねえよ。誕生日パーティもやらなくていい。子供じゃねえんだから』


 そう聞いてショウがニッと笑うと「誕生日はいつなんだ? やらないように周りの奴に言っとくよ」


『半年先まで一緒にいるわけねえんだから、余計なことする必要ねえよ』

「ああ、そうだな。余計な世話を焼いた」


 ラルとジェシーは笑わないように(こら)え、ジュリアスはアホらしいとでも言いたげな顔をして、黙々と食べている。


 その後、メインのパスタ料理が数種類でてくるとショウとシルビアが張りあうように取り合い、ジェシーに注意されて大人しくなると、今度はジュリアスが、何者かに()りつかれたように、いきなりため口になるのでラルが目を丸くする。


「なにが起きてるの?」向かいのジュリアスを見ると『しばらくうるさくなるので、ホッといてください』苦笑するジェシー。『ワンマンショーが始まると思うので』


「モノマネでもやるの?」

『ププッ』とシルビアが笑うと『笑えねえボケツッコミを始めるんですよ』

「一人ボケツッコミ?」


 しかし、ジュリアスの一人コントは意外と周りの客に受け、拍手をもらっている。


「味をしめないか?」真面目な顔でボケツッコミをするジュリアスを心配すると『禁酒させます』

「無理だと思うぞ」ショウが静かに否定する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ