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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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24-1 新たな局面


 二人はその場所で足音が遠ざかっていくのを確認すると「ジェシーの部屋に戻るぞ」


 (きびす)を返して廊下を速足で戻ると、ドアをノックする。


 少しして『はい』ドア越しにジェシーが返事をするので「俺だ。開けてくれ」

 すぐにドアが開き『忘れものですか?』と言っている横を通って、部屋に入るとドアを閉める。


『どうしたんですか?』驚くジェシーに「話があるの」彼の腕をつかんでソファへ連れていくと「オルトの代理人の女性もカムフラージュだ」ソファ横でジェシーと向かい合うショウが、先ほど聞いた電話の内容を話すと『本当ですか!』大きな声を出すので「シッ」


『アッ、すみません。では、今いる四人は、本当に代理人なんですね?』

「ああ、そうなるな」


 今回ばかりは、マイペースのジュリアスも手を止めて話を聞いている。


「彼女は見かけどおりの年じゃないと思う」

「なぜそう思うんだ?」


「話し声のトーンが落ち着いてたし、報告内容も無駄がなかった。若く見える外見は作り込んだんでしょうね。だから、どうしてあんな重要な内容の電話を、聞かれるかもしれない階段脇のところで話してたのかが気になる」


「それは、俺も言おうと思ってたところだ。まるで、誰かに聞いてほしいように……聞かせるようにワザとか」


「誰に聞かせるつもりだったのかしら?」


「二階という場所から、最初に思いつくのはジェシーたちだ。電話の内容にも出てきたし、しかもなにか企んでる。このまま付いてこさせたいのか、付いてこさせて拘束し、なにかを聞きだそうとしてるのか?」


「まだそこは予測しかできないから、これからの出方を見るしかないわね」


「そうだな。さて、どうする?」ジェシーを見ると『あとで、あの近辺に盗聴器を仕掛けておきます。なにか企みがあるのであれば、あの場所で、また電話を掛ける可能性があるので』


「それなら、俺が仕掛けておく」

『でも、盗聴器なんか持ってないでしょう?』


「なかったら自分で作るから、心配ないわよ」

『作る? 盗聴器を?』意味が分からず、首を傾げる。


「ああ、いくらでも作ってやるよ」ふてくされるように言うので『……本当ですか?』眉唾(まゆつば)なジェシー。


「しかも、盗聴器を仕掛けるのも録音もお手のものだから、任せて大丈夫よ」と言うラルの顔を見て『わかりました。お願いします』ショウを見ると「まだ根に持ってるのかよ」と呟くので「……持つ」と呟き返す。


『過去になにがあったのか、容易に想像が付きますが、ここでケンカはしないようにお願いします』ジェシーが静かに(たしな)めると『「夫婦ゲンカは犬も食わぬ」と人間は言うそうですね』キーを叩きだすジュリアスが冷静な口調で言うので、


「夫婦じゃないよ!」

「まだ結婚してないんだ」



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