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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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28-2 オルトの正体


「なるほど。表向きの理由か。だから家族ごと呼んだ」ショウは考えると「もしかしたら、家族を連れてくることに、何かしらの理由があるかもしれないな」


「自分の後継者と、娘婿捜しを兼ねての家族旅行だと印象付けて、あくまでも家族との休暇旅行だと思わせたいんじゃないの?」クッキーを食べるラル。


「今日はよく食べるな」隣のショウが、空のカップにお茶を入れる。

「任務の話だから、集中が切れないようにしてる」

「まあ、理由がどうあれ、食が進むのはいいことだ」


『気に入ったのであれば、全部食べてください』ジェシーがお菓子のお皿をラルの前に持っていくと『グランチェストは誰も幽閉していないので、調査対象から外れてましたが、今回のことでリストに載るので、調査チームが対応を始めると思います』


 ベッド向かいの机でノートPCのキーを叩いているジュリアスを見ると『脚のケガの治療でルナノヴァへ行くと言われてましたが、そんなにひどいケガなんですか? 右脚を少し引きずって歩いてたので、気にはなってましたが』


「それは……」ラルが言葉に詰まると「俺のせいで、右脚に大きな傷跡ができてしまったんだ」


「ショウのせいじゃないって!」

「俺のせいだし、その話はこの前ケリが付いただろう?」

「付いてない」


「とにかく、だいぶ良くなったが、右脚の外側に傷跡が大きく残ってしまったのを、このホテルに常勤してる看護師の女性が見て、紹介してくれることになったんだ」


『ルナノヴァ出身なんですか?』

「いや、ここの出身で、大学がルナノヴァだと言ってた」


『調べます』ジュリアスが調査を始めるので「彼女がオルト側にいるというのか? ここは組織のメンバーが運営してるんだぞ」


『常勤の医者と看護師は別かもしれませんから』とジェシーに言われ「……まあ、その可能性はあるが……」


「もしそうだったとしても、看護師さんがオルト側にいるとは限らないでしょう? オルトと知らないで知り合いになったのかもしれないし」


 するとショウが「運転手として同行してるんだよな? そして、誰もオルトの素顔を知らない。普段着でお茶でも飲みに来てたらわからないだろうな」


「そうだとしたら、同じようにいろんな人と繋がりを作って、うまく行動してる可能性がある。だとしたら、ここを脱出拠点にするのはやめたほうがいい。アディに、調査が終わるまで、次の計画は保留にしてもらって」


「わかった。部屋に戻ったら連絡しとく。それと、グループにも」ジェシーを見ると『ジュリアス?』

『連絡しておきます』振り向きもせず、キーを叩きながら返事をする。


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