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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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25-1 動きだすターゲット

 

 そして、長雨の期間が過ぎようとしている二日後、フロントのクラークマネージャ―が、外出から帰ってきたショウに声を掛けてきた。


「お話ししたいことがございますので、奥の部屋へお越しいただけるでしょうか?」


 了承するショウがマネージャーに付いて奥の部屋に入ると、メインデスク前のソファを勧められ、座ると、向かいに座るマネージャーがすぐに口を開く。


「ルナノヴァの領主であるオルト様御一行が、明後日、当ホテルに来られます。滞在は二日。先ほどご連絡をいただき、ご予約を承りました」


 緊張した面持ちで話すので「そうですか。ご連絡いただきありがとうございます。同日で同じ日程で予約してきた者がいますか?」


「はい、ございました。ジャーナリストの御一行様で、三名様が同じ二日間の日程でご予約を承っています」


「予約名は誰ですか?」

「それは……」


「ジェシーですか?」と聞くとマネージャーは驚いた後、ジェシーを組織のメンバーだと思ったのか「さようでございます」にこやかに答える。


「わかりました。オルトたちの部屋は俺たちがいる本館三階のスイートだと思うが、ジェシーたちは一階下の部屋ですよね?」ショウが確認するとマネージャーが頷くので「裏方のことは僕たちが担当しますので、あなたが方は、通常の対応でお願いいたします」


「承知いたしました」


 マネージャーは、姿を見せない(いわ)くつきの領主の情報を組織が探っていることを知っているようだが「我々はあくまでもホテルの従業員ですので、お泊りになるお客様第一で行動いたします」


「もちろん、それはお願いします。あなた方はプロのホテルマンです。任務以前に、このホテルの品位を保つ責任を背負っておられるのですから、そのプライドをお持ちください」


 ショウの言葉を想定していなかったようで、驚くマネージャーが「かしこまりました……」空返事をすると「本当に、よろしいのですか?」ショウの言葉ら信じられなくて再確認する。


「もちろんですよ。逆に、少しでも相手に不信感を持たれてしまったら、ここが監視対象になってしまいますからね」


「……ありがとう、ございます」


「いや、お礼を言う必要はないですよ。これからも皆さんの手腕で、最高級のホテルランクを維持してください」


「……はい」


「組織の運営資金の稼ぎどころといえど、これほど居心地のいいホテルは滅多にないですからね」


「……そう言っていただけることが、我々の(はげ)みになります」嬉しい言葉を聞いてホッとする笑顔のマネージャーに「ただし、俺の連れに手を出すことはしないように、注意してもらいたい」ショウが釘を刺すと「……それは、承知しております……」苦笑して答える。


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