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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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23-2 慣れない買いもの

 

 お昼前にホテルに戻ってきたショウがラルの部屋に行くと、ラルは約束を守ってベッドで寝ていた。


 ショウは買ってきた服が入った紙袋をソファに置くと、ラルを起こさないようにノートPCを持って隣のリビングへ行き、ソファ前のテーブルにPCを置くと、室内電話で昼食のルームサービスを頼む。


 その後、メールをチェックしてグループに、イータル ヴェンティに、滞在しているホテルにオルトが来るように誘導するよう、依頼した旨を連絡した。


 しばらくしてルームサービスが昼食を運んできたのでラルを起こし、長テーブルをセッティングすると「どうだった? エミアたち、引き受けてくれた?」寝ぼけた声で聞いてくる。


「ああ。アウラリートレとアウラマリスが引き受けてくれたよ。手土産に途中のスーパーで買ったケーキを渡したら、嬉しそうに持ってった」


「そうなんだ。うまく誘導してくれるといいけど」

「対岸にいるジェシーが協力してくれるらしいから、大丈夫だろう」


「ジェシーが? じゃあ、向こうで取れた情報ももらえそうだね」

「そうだな。あともう一つ、面白いことがあったぞ」


 フレンティーヌのボディガードの一人が尾行してきたので、少し揶揄(からか)ったら、パニクッて戻っていったことを話すと「そんなことして大丈夫なの?」と言いつつ、(いか)ついボディガードが理解できない光景を目撃して、目を丸くしているところを想像してしまい、クスクス笑う。「私も見てみたかったかも」


「ワザと車を隣に付けて、なにしてんだ? と声を掛けたら、言い訳にもならないことを言って、そそくさと戻ってったよ。お嬢様になんて報告するんだろうな」


 笑いながら昼食を長テーブルに置いていくと向かいに座り「いただきます」食べはじめる。


「ショウを敵に回すと、いいように振り回されるから気を付けないとね」

「人のことを尾行するほうが悪い」


「次はどんな手で来るかな?」

「奴の顔は覚えたから、もう一人のボディガードが来るだろうな」


「ああ、そうだね」ラルも話を聞きながらフォークを動かし「また揶揄(からか)って困惑させるんでしょう?」


「次はもう少しショッキングなことにするかな?」

「次はウィルシーにでも頼むの?」

「ああ、そうだな」と言いつつ、頭の中で楽しい作戦を考える。


 食後、薬を飲んでノンカフェインのお茶を飲んでいると、ショウがソファに置いた紙袋を持ってきてラルに渡し「気に入るといいけど」


「これなに?」

「開けてみな」


 ガサガサと中身を取りだすと「服?」ベビーピンクのカットソーを広げる。


「サイズがちょっと心配だけど、店員のお姉さんに手伝ってもらったから、たぶん大丈夫だと思う。合わなかったら交換してくれるらしいから、着てみろよ」そう言って隣のリビングへ行く。


 少しして「着たか?」と声を掛けると「着た」と返ってくるので寝室に入ると、ベッドに腰掛けていた。


「どう?」

「せっかくだから、下も着替えてみろよ」

「……うん」スウェットのパンツなのでチグハグに見える。


 再び隣のリビングへ行き、呼ばれて寝室へ行くと、Gパンにベビーピンクのカットソーを着て立っていた。


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