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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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19-2 ショウの家族

 

「俺の兄貴たちとは大違いだったよ。兄貴たちは俺のことをバカにしてたからな。俺もその事を知ってたから、意地でも兄貴たちには聞かなかった」


「ショウがバカだったら、ほとんどの人は能無しよ」

「お褒めいただいて、光栄ですよ」

「どういたしまして。それで、どうなったの?」


「友達の兄貴が先のところまでわかりやすく教えてくれたから、いい成績を取るのは難しいことじゃなかった。いつも遊んでた四人の友達も一緒に勉強してたから、遊ぶことに文句を言う親はいなくなったよ」


「それは当然だわ」


「彼には感謝してるよ。自分も勉強で忙しいのに、時間を割いて俺たちに教えてくれたんだからな。それに、彼らの両親も優しくしてくれたよ。学校が終わって真っすぐ奴の家に行くと、俺の分のおやつまで用意してくれてたんだ。ケーキやドーナツなんかを食べたのはそのときが初めてだったから、嬉しくて、味わうようにゆっくり噛みしめて食べたよ」


「家ではおやつが出なかったの?」


「甘いものは虫歯になる。そうなったら、勉強の時間を割いて、歯医者へ行かなければならなくなるってね。だから、家にはお菓子類がなかったんだ。小遣いももらってなかったから、自分で買うこともできなかったし。いつも誰かが食べてるのを、羨ましそうに見てるだけだった」


「……信じられない」


「だろうな。それに、家での食事は味気ないものだった。家族のコミュニケーションはまったくなかったし、話題といえば成績のことだけ」


「聞いてるだけで窒息しそう」

「じゃあ、ここまでだ」


「最後まで話して」

「気分を悪くするぞ」


「ショウが、構わないんだったら、話して」

「聞いても面白くないぞ」


「私はちゃんと話したでしょう?」

「……わかった」ため息を吐くと「どこまで話したっけ?」


「家族のコミュニケーションがなくて、成績のことだけが話題だったというところまでよ」


「そうだったな」少し間を空けると「お袋は料理が苦手なうえに、手が荒れると言って、家事は一切やらなかった。いつもお手伝いさんが作ってくれたものを食べてたよ。彼女の手料理はおいしいんだけど、一緒に食べる人達で、こんなにも味が変わるものなのかと思ったね」


「それはわかる」


「お袋は、俺の顔を見れば勉強しろとしか言わなかった。成績が良くなったら一流大学へ入れるように、もっと勉強しろとランクが上がったよ」


「成績が上がったら、まずは褒めるべきでしょう?」


「俺の家は寒々とした牢獄のようだったからな。勉強の妨げになるようなものは一切買ってもらえなかったし、音楽も、クラシック以外は聞いてはいけないことになってた。もちろん、テレビも教育番組かニュース以外は見れなかったし、ラジオも教育番組だけ聞いてた。友達からは、大きな家に住んでて、きれいな母親に、出世してる父親を持って羨ましいと言われてたから、自分も頑張らないといけないんだと答えてたよ」


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