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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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17-3 食事会

 

「それは立派な仕事だ。で、この大陸に来た目的はなんだね?」


「この大陸の街が発展していく過程で、自然に対してどのような配慮がされているのか、自然破壊に繋がるようなことをしていないかなどの調査です」


「そこに二人の共通点があるのか」なるほどと頷くグランチェスト氏。


「彼女は僕の良きパートナーです。違う視点からアドバイスをくれるので、とても助かってます」


「そうか。で、これから先は、どういうことをしようと思ってるのかね?」

「先のことは考えていません。今の仕事が上手くいかなければ先はありませんから」


「確かにそうだね」


「でも、そのような不安定なことでは、将来のことが心配ではありませんか?」と聞く夫人に「世界が動くかぎり、僕の仕事はなくならないと思いますので、心配はしていません」


「世界とともに動くか。実にいいことだ」

「世界中を周っていらっしゃるんですね。わたくしも同行したいわ」


「いい所ばかりじゃありませんよ。それに、あなたのようなお嬢様が行かれる場所じゃないところもありますからね」


「あら、わたくし、こう見えても順応力がありますのよ。どの国の人達ともすぐにお友達になれますもの」

「それはすごい事ですね」


「君はこれからどうしようと考えているのかね?」今度はラルに話を振る。


「私は、今の仕事を続けていくつもりです。環境調査は必要不可欠だと考えていますので」

「それは素晴らしいことだ。君の活躍を陰ながら応援させてもらうよ」


「ありがとうございます」


「しかし、君がその仕事を続けるとなると、彼とは途中で食い違ってしまうことになるが、その点はどうしようと考えているんだね?」


「その時は、話し合って決めることにしています」答えるショウ。「時には離れてしまうことがあると思いますが、お互いの仕事を尊重してますし、離れていたとしても、お互いを想う気持ちは変わりませんから」


「しかし、一つの仕事を終わらせるのに、長い期間が掛かることもあるだろう? そうなると、いつも傍にいてくれる人のほうがいいんじゃないのかね? こう言ってはなんだが、お互い、いつも傍にいてくれる人を捜したほうが、常に心の支えなってくれるんじゃないのかな?」と盲点を突いてくると


「もし彼女が傍にいてほしいと言うのなら、僕は仕事より彼女を取ります」


「彼女のために素晴らしい仕事を捨てると言うのかね?」

「彼女の傍にいても、僕の仕事はできますから」


「そうだろうか? 調査のためには、自由に動ける環境が必要じゃないかね?」


「僕のパートナーは彼女以外考えられませんし、彼女も僕の仕事を理解してくれてますので、不自由だと思ったことはありません」



 食事はどれもおいしく、楽しませてくれた。


 ラルの料理は医者からの指示を元に組み立てられていて、量も、負担が掛からないように配慮してあった。


 食後のアイスクリームを食べて紅茶を飲むと、ディナーは終了となる。


「今日は、お誘いいただいてありがとうございました」ショウがお礼を言うと「またお誘いするので、その時もぜひいらしていただきたい」


「はい。では失礼します」

「ごちそうさまでした」


 ショウはラルを伴って、ダイニングルームから出ていく。


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