表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
528/722

17-2 食事会

 

「そうですの。お父様はどのような方なのかしら?」フレンティーヌが興味のある顔をして聞いてくるので「父はとても忙しくて、子供のころは顔を合わせることもほとんどなく、一緒に食事をするのは年に数回というくらいでした」


「まあ、家庭より仕事を優先されていらっしゃったみたいですけど、寂しくありませんでしたの?」


「父の存在をしっかり把握してましたし、会えなくて寂しいとは思いましたが、辛くはありませんでした」


「どうしてですか? わたくしなら耐えられませんわ」両手で頬を押さえながら、向かいの父親を見る。


「私の誕生日には、どんな事があろうと早く帰ってきて、手渡しでプレゼントをくれましたし、家にいるのに会えないときは、短くても手紙を書いてくれました。

 

 外出してるときは、毎日必ず連絡をくれましたし、たとえ「お休み」と一言で終わってしまっても、私には、父がいつも私のことを思ってくれているとわかっていたので、悲しくなることはありませんでした」


「お父上はどのような仕事をされているのかね?」

「父は……行政関係の、仕事をしています」

「本当かね? それは大変な仕事をされておられるのだな」


「どちらの国のお生まれなんですか?」驚く夫人が聞いてくるので「……とても小さな国なので、たぶん、ご存じないと思います」


「あら、そうなんですか」


「君のお父上は、どんな仕事をされているのかな?」今度はショウに話を振る。

「父は、しがない公務員です」


「公務員がしがないとは、恐れ入った!」

「……すみません。言葉が過ぎました」


「ご兄弟はいらっしゃるの?」夫人が聞くと「兄が二人います」


「まあ、わたくしは一人っ子ですから、羨ましいわ」口を挟むフレンティーヌが「お兄様方は、どのようなことをされてるんですか?」話を進めると「二人とも公務員になりました」


「あなたは、どのような仕事をされてるんですか?」

「フリーのルポライターです」


「ルポライターか。で、今、どのようなことを調べてるんだね?」


「この大陸の主要都市がすごい勢いで発展しはじめているので、現状と、今後、どのように発展していくのか、いろんな角度から検証するために動いています」


「そこに目を付けるとは大したものだ。世界情勢をいつも見ていなければ気付かないところだよ」


「世界の至るところに目を向けていらっしゃるなんて、素晴らしいですわ」フレンティーヌが褒めると「それは大袈裟ですよ。僕は風来坊のようなものですから」


「ご両親は、今のお仕事をどのようにおっしゃってるのかしら?」と夫人に聞かれ「大学を卒業してすぐに家を出てしまったので、こういう仕事をしているとは知りません」


「あら、そうなんですか」


「若いうちは、いろんなところを見て回ったほうが、偏ったものの見方をしなくなるからね」

「いい勉強になります」


「あなたは、どのような仕事をされていらっしゃるの?」夫人がラルに話を振ると「自然環境の調査をしています」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ