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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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12-2 珍事の余韻

 

 ラルの部屋に入るとリビングのソファに向かい合って座り、話を続ける。


「その話はお断りします」

「社長の椅子を捨てるの?」

「ラール」


「まあ、ワガママそうなお嬢様の相手は疲れそうだもんのね」

「まったく」


「そうだ。いつから私はショウの恋人になったの?」

「いつからだろうな」

「……あのね」


「なにか困るようなことでもあるのか?」

「ある」ムッとすると「その顔に寄ってくる虫から害を受ける」

「寄ってくる虫って……」


「あの様子だと、きっとなにか言ってくるよ」

「なんて?」


「あなたよりもわたくしのほうが彼にふさわしいわ、とか、わたくしの娘と比べたらかわいそうですわ、とか」


「まあ、あのお嬢様より自己中じゃない点は勝ってるな」


「他のところは彼女のほうが勝ってると言うの?」ムッとすると「俺は、いかにも化粧してますっていうコッテリ顔より、薄化粧で自然に見えるほうが好きだし、オートクチュールの服を着て、年より老けて見えるより、ラフな格好して気取らないほうがいいし。切り口上で相手を見下すように話したり、気分によって口調を変える言い方より、時々捻くれても、裏表のない言い方をするほうがいい」


「全然褒めてない!」

「……言い方がまずかったか?」


「どうせ私は無頓着で、化粧は(おろそ)かにするし、洗いざらしのヨレヨレを着てるし、時々でも捻くれた言い方をするよ!」


「そう言う意味で言ったんじゃない」


「本当のことだから、言い直さなくていいよ……」しょげるラルを見て「じゃあ、雨が上がったら、町へ買い物にいこう。半袖の服を買う約束だし」


「……行かない」

「本部へ戻ろうと思ってるから?」

「余分なお金を、持ってきてない」


「金なら俺が出す」

「そんなことしなくていい」


「腕時計を買ったことで、まだ金銭的に苦しい思いをしてるんだろう?」

「それは……」


「だから、買えずにいるんだろう?」

「……」


「そうだろうと思ったよ。金なら俺が出すから、欲しいものを買えばいい」

「いいって」


「なんで?」

「本部に戻ったら買うから」


「金があるのか?」

「……グループから支給金がきたから」


「足りるのか?」

「……大丈夫」


「ウソだろう?」

「ウソじゃない」


「顔がウソだと言ってる。お前はすぐ顔に出るからな」

「ウソじゃない」


「今まで買うことができなかった生活必需品とかを買えば、残りはそんなにないだろう? 食費もあるだろうから、余分な金はないはずだ」


「そんなこと、ない……」


「ここにいる間は俺が全部出す」

「そんなことしなくていいって」


「これは俺が決めたことだ」

「そんなこと、勝手に決めないでよ」


「今回のことをお前に黙ってたのは、事前に準備させないためだ」

「……どういう意味?」


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