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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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10-3 お茶会のお誘い

 

「例のお嬢様からの招待状だったんでしょう?」ティーセットが乗ったトレーを持ってくるショウに聞くと「ああ」と答えるので「次はどんな手で来るんだろうね」


「二度も断ったんだ。次はないだろう」紅茶とケーキをラルの前に置く。

「お茶を飲むくらいだったらいいんじゃないの?」


「一面識もない人とお茶を飲んで、楽しいか?」

「……相手によると思うけど」


「お前が一番嫌いなタイプの人間と、お茶を飲めと言われるとは思わなかった」

「そういう訳じゃ……」

「そうだろう?」


(さすがに、面倒を起こしてほしいからとは言えない……)


「典型的な自己中のわがままタイプだよ。できるなら近づきたくない」

「あれ? ナディアだってそのタイプだったでしょう?」


「彼女の場合、本部内のほとんどの場所に入れるという、ありがたいオマケが付いてた」と言ってお茶を飲みはじめるので「オマケね」と言うと「ほかにも理由がありました」


 そのお嬢様は、ラルが言ったとおり、一度や二度断られただけで諦めるようなタイプではなかった。と言うより、彼女にとって、断られた経験がなかったので、ショックを受けたのと同時に怒りが沸いてきていたようだ。


 そのため、今度は直接部屋に押し掛けてきた。


「どちら様でしょうか?」対応に出たショウに「わたくし、フレンティーヌ グランチェストと申します」見上げながら上から目線で答えるので「ああ」


「なぜ、わたくしの招待をお断りになりましたの?」


「僕とあなたでは地位が違いますので。一般人の僕と一緒にお茶を飲んでるところを、あなたのお父上がご覧になったら、機嫌を損ねてしまうと思ったからです」


「まあ、お父様はそのようには思いませんわ」

「僕からも一つお聞きしていいですか?」

「ええ。どのようなことでしょうか?」


「なぜ僕をお茶に誘ってくれるんですか? 部屋から追い出したお詫びですか?」


「その事はとても反省してますわ。わたくしがワガママを言ったばかりに、あなたにご迷惑を掛けてしまいましたから」


「僕の連れが体調を崩してるのをご存知ですよね?」


「お連れの方には本当に失礼なことをしてしまいましたわ。お具合はいかがですか? もし体調が良くなられていなければ、主治医が同行してるので、診るように言いますけど」


「もっと早くにそう言ってもらえたら、快くお茶の誘いを受けたんですけど」


 そう言われて言葉に詰まるフレンティーヌ。


「では、失礼します」ショウはドアを閉めてしまった。


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