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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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5-2 体調の悪化


 少しすると、ルームサービスが、頼んだものとベッドで食事が取れるように、細長いテーブルを運んできた。


 それらを受け取るショウは、食事をしやすいようにラルの態勢を整えると細長いテーブルをセットし、サイドテーブルの食事が乗ったトレーをラルの前に置くと「食べやすいように小さく切ってやるよ」フォークとナイフで一口大に切っていく。


「無理に全部食べなくていいからな」と言って薬の用意をするので「その薬、どうしたの?」ショウを見ると「食事と一緒に、医者から預かったと渡されたんだ」


 さすがに丸一日食べていなかったので完食すると薬を飲み、ノンカフェインの温かいお茶を飲みはじめると、ショウは細長いテーブルをどけてベッド脇にある椅子に座り「気分はどうだ?」


「大分、落ち着いた」先ほどよりしっかりした声で答えるので「そうか」ホッとすると「フロントでお前が倒れたと聞いときは焦ったよ。もしかしたら元の姿に戻って、正体がバレたのかと思ったから」


「私も、それを心配した、けど、大丈夫、だった」


「そういえば、ひどい貧血らしいじゃないか。血圧がかなり低いから無理に動かないようにしろと、さっき医者に言われたよ。それと、痩せすぎだから、しっかり食事させるようにともな」


「ちょっと、疲れただけ」

「まさか、食費まで削って金を貯めてたんじゃないだろうな?」


 ラルが答えないのでショウは頭を抱えると「頼むから、そんなことしないでくれよ」

「……だって」


「そんなことしてまで買う必要ない」

「……ごめん、なさい」


「謝らなくていいから、これからはそんな無茶するなよ」

「……うん」


「それにしても、朝食のことはフロントに頼んでったのに。お前が話したクラークは交代したばかりで、引継ぎする前だったらしく、俺からの依頼を聞いてなかったそうだ。本当は、お前から連絡が来たら、部屋に食事を運んでくれることになってたんだ」


「そうなの?」

「さっき、そのクラークが謝りにきたよ。直接謝罪したいと言われたけど、寝てるし、代わりに伝えると言って帰した」

「……」


「ゴメン。目が覚めるまで傍にいればよかった」

「そういえば、どこに、行ってたの?」


「ホテルの周りを見てきた。どんな所なのか確認しておきたかったんだ」

「……そう」


「お茶を飲み終わったらもう少し寝たほうがいい。そこのソファにいるから、何かあったら声を掛けろよ」そう言うと、ノートPCを持って移動する。


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