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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第七章 休息の計画
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4-2 ショウの計画

 

 ラルはベッド横のソファに座るとため息を吐く。


 今回の任務の内容を聞いてから、体調が思わしくないことを忘れて動き回っていたので、その反動が出てきたらしい。


(体力が落ちていくのがわかる。いつまで持つんだろう?)


 ここ最近、この事が頭の中に浮かんできて不安になる。


(まだ倒れるわけにいかないのに)ソファに寄り掛かると(それにしても、こんな事になるなんて思わなかった)まさか、このような事態になるとはまったく予測していなかった。しかも、脚のケガがまだ完治していないので、行動範囲も制限されてくる。


(でも、こんな所に長期滞在するわけにいかない)


 ラルは、ショウに聞かれたらマズいことは口に出さないようにした。

 もしかしたら、また盗聴器を付けられているかもしれないと思ったからだ。


 彼には、ラルが怒って本部へ戻ろうとすることは予測できるので、それを阻止するため、なにか手を打っているだろうことはラルにもわかっていた。


(とにかく、送りだした仲間の到着連絡と、ウィルシーたちに頼んだ、オルトの情報を確認しないといけない)



 目が覚めると翌朝の午前八時だった。


「私、いつの間にベッドに入ったのかしら?」


 服を見るとパジャマではなく、昨日着ていた服のまま。


 とにかく起きてソファのところへ行くと、テーブルにメモが置いてあった。

 そのメモには “ちゃんと食べて、薬を飲んでから寝ろ” と書いてあった。


 昨日の朝食以降、お昼も夕飯も一階のダイニングルームに現れず、ルームサービスも頼まなかったのを心配して、フロントで合い鍵をもらい、ソファで寝ているのを見つけてベッドに運んだのだろう。


 ラルはシャワーを浴びて着替えると、食事をしようとダイニングルームへ行ったが誰もいなかったので本館へ行き、フロントで本館のダイニングルームでの朝食の時間を聞くと「朝食のお時間は、午前六時から九時まででございます。あとはルームサービスでご注文ください」


 そう聞いて腕時計を見ると午前九時を十五分オーバーしていたので、もうダイニングルームで朝食は食べられない。


 仕方ないので部屋へ戻ってルームサービスを頼むことにし、渡り廊下を戻って離れのラウンジまで来ると、急に目眩(めまい)に襲われてしゃがみ込んだ。


 今、この離れにはラルとショウしか泊っていないので、他の客が来ることはない。

 ラルは、少しすれば治まるだろうと思って動かずにいたが、目眩(めまい)はひどくなる一方だった。


(どうしよう。こんな所で倒れて、また元の姿に戻ってしまったら大騒ぎになる)


 気をしっかり持とうと思うが、その場に座り込んでしまった。


 渡り廊下の先から人の声が聞こえるのに、大声が出せないので、助けを呼ぶことができない。

 意識がだんだんと遠のいていく。


(ショウ、どこにいるの?)


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