表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
478/721

71-2 姿なき領主

 

「湿地帯から侵入できないのか?」

「周囲二キロに渡って湿地帯が広がってるんだ。侵入すればすぐに見つかってしまう」


「面白いな。オルトの領地の三方はコルチネスとナスコットの領地に囲まれてて、唯一あいてる西側は湿地帯で侵入不可。まるで、二人の領主が(かくま)ってるように見える」


「面白い半面、ここが一番のネックだ。奴らがどのくらいのシルバーフェニックスを幽閉してるのか、まったく掴めないんだ」


「だろうな」


「両脇の領主のところにいる情報部員は、まだ屋敷内へ潜り込めてない。もう少し時間が掛かると報告してきてる。彼らが情報を取るまで、ここには手を出さないでくれないか?」


「わかった。彼らが情報を取れることを祈るしかないのか」

「そうだ」


「ところでアディ。話があるんだ」



 その日のお昼過ぎ、昼食を取ったショウは湖の西側にある入り江に行くと、ウィルシーを呼んだ。


『なにか御用でしょうか?』湖面から顔をだす彼女に「聞きたいことがあるんだ」湖の端に屈むと『どんなことでしょうか?』近寄っていく。



 その後、ショウは湖から戻るとノートPCを持ち、ラルの部屋へ行くと、彼女はグループから送られてきた資料に目を通していた。


「何かわかったことがあるか?」向かいに座ると、ラルは難しい顔をして「オルトという名前はニックネームらしいわよ」


「オルトがニックネーム?」なんだって? という顔をすると「しかも、本名がどう調べてもわからないらしいの」


「どういうことなんだ?」

「もしかしたら、実体のない架空の人物かもしれない」


「架空の人物だって? 誰が、なんのために架空の人物を作る必要があるんだ?」

「それは、調べないとわからない」


「奴は裏世界の大物の一人だぞ。いくらなんでも、姿を現さなければ他の大物たちが黙ってないだろう?」


「代理を仕立てればどうとでもなるんじゃないの?」

「だとすれば、なおさら架空の人物を作る必要ないだろう?」


「架空の人物を作らなければならない理由がある、という場合はどんなことかしら?」

「その角度から調べてみると、何か出てくるかもしれないな」PCを開いて電源を入れる。


「その事はグループで追跡調査をしてくれることになってるから、情報が入り次第、連絡がくることになってる。で、そっちはなにか掴めたの?」


「ああ。今、調査内容をまとめた資料を添付して送る」ラルのPCにメールを送信すると、添付を開いて内容を読みはじめる。


「要注意人物がオルトの領地を囲ってるの? これは興味深い点ね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ