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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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68-5 夜の湖会議

 

「今のアイツは、何が常識で何がおかしいのか、感覚がマヒしてきてるからわからなくなってる。とんでもない事でも、仕方ないからと言ってやってしまう。誰かが元に戻してやらなければさらに危険に向かってしまう。その役を俺がやりたいんだ。いや、たぶん、俺にしかできないだろう」



『もう一度言うわ。彼は貴重な存在よ。わかるでしょう?』

「エミアもウィルシーも、前はあんなにショウを嫌ってたのに」


『彼のことを誤解してたのよ。彼がどれだけあなたのことを想ってるか、その事を聞きもしないで、ただ彼が人間だからという目で見てたの。でも、彼と話したあとは考えが変わったの』


『あなたが彼に言えないことはわかってますわ。でも、その事が今のあなたにとって、なんの役に立ちますの? この戦いが終わるまで、その事はお忘れになったほうがいいですわ』


「そんな事できない」


『できなければ、あなたは破滅への道を歩むことになりますのよ』

「それは……」


『とにかく、今はお話しできることだけお話すればいいんですのよ』

『こんなうやむやな状態で出ていっても、心の重りになってしまうわよ』


『あなたの任務は単独で続けられるものではありませんわ。命に関わることなんですもの』

『ラル。あなたは今、どんな方に傍にいてほしい?』


「エッ、今?」


『どういう方に傍にいてもらいたい?』

「どういう方に?」

『まずはそれを考えてみるのね』


『さあ、基地へお戻りになって、彼と話し合ってください』

「でも……」

『出ていくことはいつでもできるけど、出ていったら、彼と話し合う機会がなくなるのよ』


 そう言われて、ラルはなにも言い返さず、本部への道を戻っていく。



 どうしようかと考えながら途中の森の中へ入ったとき「会議は終わったのか?」と、近くの木の陰から聞こえてきた。


「ショウ! いつからそこにいるの!」

「最初からいた」

「最初から? あとを付けてきたの!」


「前に、本部から出ていくと言ってたのを思い出して、さっきごり押ししたから、彼女たちに話した後、そのまま出ていくのかと思って付けてきた」


「話を聞いてたの?」


「俺の耳は集音器じゃないんだぞ。この距離で聞こえるはずないだろう?」そう言われて後ろを向くと、ずっと先の湖にウィルシーたちが見えるが「いつものように、盗聴器を付けてるんじゃないの?」


「そんな時間なかった」

「どうかしら?」


「終わったんなら夕飯食べに行こう」本部へ向かって歩きだす。


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