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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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68-1 夜の湖会議

 

 この後、ラルは椅子に座って考えた。


「こんな事になるんだったら、ショウと組むんじゃなかった。任務のパートナーだから気遣ってくれるんだと思ってた」


 さっき、ショウが言った言葉が信じられなかった。


「こんな事になるなんて……」


 この後のラルの行動はすでに決まっていた。


「もう、一緒にいられない」


 代わりのメンバーが来たら出ていくつもりでいたが、こうなったら考え直さなければならない。

 とりあえず荷造りすると、夜になるのを待った。 


 辺りが暗くなってきたころ、ラルは湖に出かけた。


『お久しぶりですわね』ウィルシーが顔をだし『お元気になられてよかったですわ』しかし、浮かないラルの顔を見て『どうなさいましたの? お元気がありませんのね』


「……お別れを言いにきたの」

『なんですって!』

「今夜、本部から出ていく」


『なんで出ていくの?』エミアが降りてきて『彼と一緒にいくの?』と聞くので「いいえ、一人でよ」


『なんで? 彼は納得したの?』

「……話してない」

『なら、追い駆けてくわよ』


「だから、あとを追って来れないようにしてほしくて、頼みにきたの」

『断る』

「なんで!」


『彼との仲は戻ったんでしょう? それなのに、なんで彼を置いてくのよ。また何かあったの?』と聞かれ、話そうか戸惑っていると『何があったの?』再度聞いてくる。


「とにかく、一緒にいられないのよ」

『また誰かちょっかい出してきたの?』

『それは考えにくいですわ』

『なんで?』


『あの事件の後、アディが他の人達に厳しく注意したはずですわ。ですから、同じことを繰り返す人はいないと思いますもの』


『じゃあ、彼が原因ということね?』

『でも彼は、ラルがイヤがることはしないと思いますわ』


『そうよね。ラルのためにスタニルを異空間の檻へ監禁したくらいだものね』

「なぜその事を知ってるの!」


『私たちがスタニルの情報を彼にあげて手伝ったからよ』

「……そういうことだったの」


『三週間ほど前になりますわ。彼がわたくしのところにいらして、スタニルの情報が欲しいから、探ってきてくれないかと頼まれましたのよ』


「ウィルシーに?」


『そうですわ。ですからその事をエミアにも頼んで、調べて情報を差し上げましたの』

「なんで引き受けたの! 彼はもう少しで死ぬところだったのよ!」


『頼まれたとき、わたくしも驚きましたわ。ですから、情報を差し上げる前にお聞きしましたの。なぜ知りたいのかと。彼、こう答えましたのよ。「アイツにケガをさせた上に汚そうとした。だから許せない」と』


『その後、私がこう聞いたの』エミアが続ける。『死ぬ気なのかって。そうしたら、アイツを置いて先に死ねるかって答えたわ』

「……」


『でも、勝つための策がなければ無謀な行動としか思えないと言ったら、虫が良すぎるかもしれないけど、力を貸してほしいと言ってきたのよ』


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