67-4 改善方法
「そんな事できない!」
「アディとグループには俺から話しておく」
「仲間を見捨てていけない!」
「彼らはもう大丈夫だ。俺たちがいなくても担当の人達と上手くやっていける。大丈夫じゃないのはお前だ」
「私は大丈夫。明日になれば元に戻る」
「ダメだ。ここにいれば、お前は無理してでも任務を続ける。今の状態じゃ、倒れるのは目に見えてる」
「大丈夫!」
「じゃあ、大丈夫かどうか、ドクターに診てもらうか?」
「それは……」
「ここに残ると言い張るんだったら、ドクターに診てもらうことが条件だ。もしイヤなら、どんな事をしてでも連れてくぞ」俯くラルに「お前が任務に拘るのはわかる。しかし、ここで我慢して身体を壊し、長期間動けなくなったら、そっちのほうが大変じゃないか?」
「……」
「違うか?」と聞くと、答えない。
「俺が一緒にいてやる。甘えさせてやるから」
「そんな事しなくていい! ショウは普通の生活に戻ったほうがいい!」
「ヤダね」
「私なんかホッとけばいいの! 私なんかのためにそんなケガを負う必要ないの!」
「私なんかと言うなと何度言えばわかるんだ!」
「何度言われてもわからない! だから、こんな私と一緒にいることないの。
甘えることすらできない、かわいげのない女と一緒にいることないの。
言うことを全然聞かない自分勝手な私と居ることないの!
かわいい人を見つけて楽しい人生を送って。ショウならすぐに表れる。
私といて、一回しかない人生を、つまらないものに、したらいけない」
すると、ラルを抱き寄せてキスしてきた。
ラルは驚いて抵抗するが、ショウはそのまま抱き上げてベッドまで運ぶと「そんなに俺が邪魔か! そんなに追い払いたいのか!」
「……違う」
「何が違うんだ!」
「そうじゃない」起き上がろうとすると押し戻し「確かに俺は嫌われて当然のことをした。でも、俺は俺なりにお前のことを考えてきたんだ! いつもいつも、お前にしてやれることはないか、ずっと考えながらここまで来た!」
「……」
「なぜだかわかるか! お前が好きだからだ! どうしようもないくらいお前が好きだからだ! そんな俺に、他にいい人を見つけろと言うのか!」
「……」
「そんなに俺が嫌いなのか?」
「……」
「そんなに嫌われてしまったのか? 俺は、精いっぱいやってきたつもりなのに……」
「……私は、ダメなの」
「なんで!」
「……ダメなの」
「なんでダメなんだよ!」
「言えない……言えないけど、ダメなの」
「そんなの理由にならない!」
「言えないの……絶対、言えないの」
「ラル……」
「ショウのお姫様は、他にいる」
「それは、俺が決めることだ」
「他にいる」
「俺の相手は俺が決める」
「私は、ダメなの。わかって」
ショウはベッドから離れると「言えないことならこれ以上聞かない。しかし、納得いかないことは聞き入れないからな」
「ショウ!」
「俺の性格は知ってんだろう?」
「ダメなんだってば!」
「理由は言えないんだろう?」
「……言えない」
「じゃあ無理だ」
「ショウ!」
「お前は、ダメですと言われて、はい、わかりましたと、すぐに引き下がれるのか?」
「それとこれとは話が別でしょう?」
「俺のこと、嫌いなのか?」
「……」
「嫌いなら嫌いとハッキリ言ってくれ」
「選択は、好きか嫌いかだけじゃないでしょう?」
「……そうだな」部屋から出ていこうとするので「ショウ!」
「今はなにを言っても無駄だ」と言い返して出ていく。




