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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
452/720

62-1 ラル様

 

 美人で優秀で強い女。

 そんなこと、今まで言われたことがなかった。


 ドクターが帰った後、言われたことが頭の中に残っている。


 気の強い女と嫌味で言われたことはあったが「揶揄(からか)われてるとしか思えない」しかも、自分に憧れてる人がいる「まさか、信じられない」


 しかし、その事はお昼を食べにラウンジへ行ったとき、本当らしいということがわかった。


「ラルちゃん!」おばちゃんが慌てて声を掛けてくるので「どうしたの?」


「あの子たちを止めてちょうだい!」指さすほうを見ると、数名の女性が言い合いをしているのが見えた。


 ラルはゆっくり歩いて彼女たちのところへ行き「ここで大声出すと、他の人に迷惑だから気を付けて」やんわりと注意すると「ラル様!」

「ラル様! おケガは大丈夫ですか!」


 片方のグループの女性たちが、ラルを取りかこんで聞いてくる。


「ラララララララララ、ラル様?」聞きなれない言葉を聞いて耳を疑う。


「私たちのラル様に大ケガをさせるなんて、許せないわ!」相手グループを睨みつけると「なに言ってんの! この女はショウ様をこき使ってるのよ! 絶対許せないわ!」対立しているもう片方の女性たちが、ラルを指さして言い返す。


「そっちこそなに言ってんのよ! ラル様は他の人をこき使うようなことなんかしないわ!」と言い返して、また言い合いをはじめた。


「やめなさい!」ラルが止めに入ると「あんたに指図される覚えはないわ!」ショウ側に付いてる女性の一人が言い返してくると「ラル様に向かってなんて口の利き方をするのよ!」ラル側の女性が怒鳴り返す。


「こんな女に熱を上げて、おかしいんじゃないの?」

「なんですって! ラル様は私たちの理想の女性なのよ! もう一度言ったら許さないからね!」


「あら、何度でも言ってやるわよ」


「あんた達たちのほうがみっともないじゃないの。男に飢えたような目をして、相手にしてもらえないのに群がってるじゃない!」


「なんですって!」


「いいから止めなさい!」再度止めに入り「そんなに言い合いしたいなら外へ行きなさい!」

「そんなこと、あんたに言われる筋合いないわ!」


「こんな事したら、ショウに迷惑が掛かるとわからないの?」落ち着いて言うと黙り込むので、ラルは振り返り「あなたたちも、私のことを気遣ってくれるのなら、こんな事は二度としないで。自分よがりなことをして他の人に迷惑をかける人は嫌いよ」と言うと「ごめんなさい」素直に謝るので「気遣ってくれてありがとう」と声を掛けると、いつもの席に向かった。


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