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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
444/731

56-2 修復

 

 ショウはテーブルに置いてあるラルのノートPCを取ると「見るぞ」断ってパスワードを入力し、インプットされたデータに目を通していく。


「これだけの任務を一人でこなしてたのか?」

「……」


「ミランドたちに呆れられて当然だな。グループの通信欄に俺のことが報告されてる。やはり人間を仲間にするのは避けるべきだったんだ。すぐに除名してほしい」


「ミランドたちって?」

「フロス アクアエ、イータル ヴェンティの両女王に会った。ミランドが会わせてくれた」

「昨日の夜に?」


「ああ。コテンパンに言われたよ。返す言葉がなかった。この前はペドニロスのところに行ったんだってな。一週間も地下牢に閉じ込められて、脚のケガには、傷薬しか、塗られてなかったと、話してくれた……戻って来たときは、生きてはいるという、状態だったと……聞いた……」


「……あの時は、本当に、ダメなんじゃないかと、思った」

「……」

「気付いたときは、湖の畔に戻ってた」


「お前がそんな状態のとき、俺は呑気にナディアたちと話してたのか。俺よりも彼女たちのほうが頼れるな」


「そんなことない! ショウがいてくれたからここまで来られた。私一人だったら、どこかで命を落としてた」


「俺は何もしてやらなかった。ここまで来られたのはお前自身の力だ」

「そんなことない。一緒にいてくれただけで、どんなに心強かったか」


「じゃあ、これからも、一緒にいていいだろう?」

「それは……」


 その時、部屋の呼び鈴が鳴ったのでショウが出ると「失礼するよ!」恰幅(かっぷく)のいい中年男性がショウを押しのけて入ってくる。


「ちょっと! いきなりなんですか!」と聞いてラルは額にチップを貼り、バンダナをすると「あんたがラルとかいう人か!」顔を見るなり怒鳴りつけてくる。


「断りもなく女性の部屋に入るなんて失礼じゃないですか!」ショウが前に立って止めると「あんたは黙っててくれ!」


「お父様! 彼を怒鳴らないで!」あとから入ってくるナディアが止めるので「あ、ああ、すまなかったね」と言うとラルのほうを向き「あんた、娘を殴ったそうだが、どう責任を取ってくれるんだ!」


「ちょっと待ってください!」再度前に立つショウ。

「君も、男を(ないがし)ろに扱うような女と一緒に仕事する必要ない!」


「そうだわ。これを機に仕事のパートナーを解消したほうがいいわ」ショウの腕をつかみ「こんな人と一緒に仕事することない!」とラルを指さす。


「さあ、どう責任を取ってくれるんだ! 娘に手を上げてここに居られると思うな! 追い出してやる!」


「では、あなたの娘が彼女にした仕打ちに対しては、どう責任を取るつもりなんですか?」


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