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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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53-2 返品

 

 その日の午後一時すぎ、ショウはいつものようにラウンジでナディアたちと一緒にいた。


「お仕事お疲れ様です」ナディアがショウの前に紅茶のカップを置く。

「……ありがとう」


「ねえショウ。今週の日曜日、みんなでピクニックに行きましょうよ。湖の西側に小さなお花畑があるんですって。この前テッドが教えてくれたのよ」楽しそうに話すナディアを見て「実は、みんなに話があるんだ」


「あら、何?」

「もう、君たちと一緒に居られない」

「エエッ!」


 ショウはポケットからコピーした返金手続きの書面をだすとナディアの前におき「あの腕時計はもらえない。君の父親の口座から引き落とした分は、同額を口座に振り込んでもらうようにしたよ」


「どうして! あの腕時計が欲しかったんでしょう?」

「……とにかく、君から貰うことはできない」


「なぜ私たちと一緒にいられないんですか!」取り巻きの女性たちが悲しい顔をして理由を聞いてくるので「すべて俺がいけないんだ。君たちを責めるようなことはしないよ」


「なんで急にそんなこと言うの!」ナディアがさらに理由を聞いてくるので「君たちが、今まで、ラルにしてきたことを、知ったからだよ」


 すると取り巻きの女性たちは黙り込むが「私たちは何もやましい事はしてないわ。彼女が抗議されて当然のことをしてるんだもの」言い返すナディア。


「とにかく! これ以上のことはしないでくれ」言い残すと席を立った。



 午後六時過ぎ。

 仕事が一段落するとショウはあと片付けをして、ラウンジで夕飯を調達してくると一緒に食べ、ラルが薬を飲み終わるとノンカフェのお茶を飲む。


「脚の痛みは取れたか?」向かいに座っているラルに聞くと「……少し」


「やっぱり、ドクターに診てもらったほうがいい」

「……事を、大きくしたくない」


「じゃあ、ここに呼んでくればいいだろう」

「でも……」


「話せば黙っててくれる」

「ダメだよ。まだチップが必要な状態だから、他の人間とは会えない」

「ああ、そうだな」テーブルの端に置いてあるチップを見る。


「……彼女たちに、何か言ったの?」

「なに?」

「さっき、ラウンジのおばさんからメールが来て、教えてくれたの。お昼のとき、ナディアたちに何かを渡して話してたって」


「……あの腕時計をショップの人に引き取ってもらって、お金を返したんだ」

「エッ! なんで?」


「彼女は父親にお金を出してもらって、あの腕時計を買ってたんだ。一回受け取ったらまた同じことをする」


「その事、誰に聞いたの?」

「昨夜、ミランドから」

「ミランドから?」


「昨日、お前が寝たあと部屋からでる前に、机の上に置いてあった彼女の手鏡を見つけたんだ」


 その手鏡はラルの部屋に戻っている。



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