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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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48-3 新たな動き

 

 その副作用はすぐに出てきた。

 次の日になって、ラルは腹痛を訴えたのだ。


『どうしましょう。食べたものを全部吐き出してしまうの』エミアがラルの昼食を持ってきたミランドに話すと『胃薬を飲ませた?』


『ええ。そうしたら余計ひどくなって』

『どれを飲ませたの?』エミアが飲ませた薬の箱をミランド見せると『吐いたとき、胃液が一緒に出た?』


『ええ』

『じゃあ、胃弱になってたんじゃなくて、胃酸が多く出てしまったのよ。こっちは胃弱用の薬だから、胃酸を促す薬なの』


『じゃあ、症状をひどくするの?』

『そうね』

『ラル。ごめんなさい。薬を間違えてしまったわ』


 ミランドが別の薬を飲ませると、少ししてラルの表情が和らいでいく。


『薬の選択って難しいのね』薬の箱を見比べるエミア。


 食事を終えてラルが寝てから『他に副作用は出てない?』エミアに聞くと『今のところないわね』と答えるので、ラルの着替えをバッグにしまうと本部へ戻った。



 それから数週間、ミランドはラウンジのおばちゃんに消化のいいものを作ってもらっていた。


「子狐の様子はどうだい?」

『大分よくなってきた。おばちゃんの料理のおかげね』


 森の中を散歩していたとき、ケガをした子狐を見つ付けて看病していると話していた。


「そうかい。それはよかったね」

『余計なことを頼んでごめんなさい』

「いいんだよ。人間だろうと動物だろうと、ケガをしてたらホッとけないよ」



 それから約一ヶ月後、ラルはゆっくりだが散歩できるくらいまで回復してきた。

 しかし、姿は戻ったまま。


『顔色もよくなって気の副作用も収まったし、こうして散歩できるようになって良かった』ホッとするエミア。


「私が捕まったせいで、みんなに迷惑かけて、ごめんなさい」


『謝る必要ない。当前のことなんだから。ラルたちが動いてくれなきゃ、私たちは滅んでいくのを見てるだけなんだもの』


『そうですわ。わたくしたちは、直接、人間に手を出すことができないんですもの』

『間を取り持ってくれるラルたちがいないと、私たちは力が使えないから』


『でも、反対に、ラルたちがいてくれれば、思う存分に使えるわよ』言い返すミランド。

『そのラルが危機に立たされているんですもの。できるだけのことは致しますわ』

「ありがとう……頑張る」


 それから一週間後、ラルは約一ヶ月半ぶりに本部へ戻った。


 ミランドから都度その日にあったことを聞いていたので戸惑うことはなかったが、体力が十分に回復していないため、ミランドと交代した不自然が出ないか心配だった。


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