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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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48-2 新たな動き

 

「ラル、本当に今夜こないのか?」会議室から出るミランドにショウが声を掛けてくる。

『今いいところなのよ。これから帰って早く続きをやりたいくらい』


「何してんだ?」松葉杖を付いてくるカイに『ジグソーパズル三千ピース』

「そりゃすごい。よくやんな」


『スタンドのおばちゃんに貰ったものなんだけど、絵柄が気に入っちゃって、息抜きに始めたら、これがまたはまっちゃったのよ』


「よくあるパターンだな」

『まあね。じゃあ』


 ミランドが先にワークセクションとして区切られているドアから出ると、ナディアたちが、ショウが出てくるのを待っていた。


 彼女たちはミランドを見つけると一斉にきつい視線を向けてくるが、ショウが一緒でないことがわかると、視線をミランドの後ろに向ける。


(結局、なにも変わらないのか。というより、前よりひどくなってるんじゃない? アディに言ったことが引き金になったのね)


 以前にもまして、ラルに対する態度がきつくなっている。


 ミランドは立ち止まらずに彼女たちの脇を通り、エレベーターホールに向かって歩いていくと「ショウ! お疲れ様でした。これからのお仕事はどうなってるの?」ナディアの声が聞こえてくる。


「今日はもうないよ」

「じゃあ、外へ行きましょうよ! 今日はお天気だから気持ちいいわよ」


(今、ラルがどんな状態なのか知ったら、彼はどうするかしら?)


 そう思いながら、ミランドはラウンジへ向かった。



 ラルの意識が戻ったのは、それから二日後のことだった。


 夜、ミランドが彼女の着替えを届けにいく途中でウィルシーが教えてくれたので、一旦本部へ戻り、食料を仕入れてから湖へ向かった。


『ラル! 気が付いた!』

「……ミランド」


『お腹が空いたでしょう? 食べ物を持ってきたわよ』バッグからお弁当をだす。

「私……生きてた、のね」


『戻ってくる途中で気を失ってしまったのよ』あとから来たエミアが説明すると『でも、少しは覚えてるでしょう?』


「ええ。あとの、ことは、彼女たち、から、聞いた。ありが、とう……」傍にいたイータル ヴェンティたちを見る。


『こっちは変わらないから、心配しないで』とミランドが言うと「そう……」悲しそうにラルが呟くので『コラッ! 余計なことは考えない。体力を戻すことが先でしょう?』エミアが注意する。


 食後、ラルの着替えを済ますと、老木の精霊から気を分けてもらったことを伝え、副作用について聞く。


「症状は、決まって、ないの。どんな、事が、起きるか、その時に、なって、みないと、わからない、のよ」


『じゃあ、そういう症状が出たら、どう対処すればいいの?』ミランドが聞くと「出る症状に、よって、違う。もし、頭痛が、したら、痛み止め、飲めば、いいし」


『なるほど。じゃあ、今度は薬を揃えて持ってくる』


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