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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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48-1 新たな動き


 二日後、久しぶりにアディが会議を開くと言ってきたので、ミランドはお昼を食べると、六階にあるワークセクション内の会議室へ向かった。


『カイ。歩き回って大丈夫なの?』


 右脚にギプスを付けたカイがいつもの席に座っているので声を掛けると「思うように動けねえから大丈夫じゃねえな」ぎこちなく腕や脚を動かすので『フフッ、カイらしい返事だわ』隣に座ると「風呂に入るとき大変なんだよ」


 そこへショウが入ってきて「カイ、生きてたか」

「なんとかね」

「元気出せよ。そうだ、今夜飲みに行くか? (おご)ってやるぞ」

「マジ! 行く!」


『ショウ、ダメよ。お酒飲んで暴れたら、今度は超、複雑骨折よ』ミランドが止めると「確かにな。じゃあやめるか」


「ちょっと待てよ! (ぬか)喜びさせるなんてひでえぞ!」

「ウソウソ。でも、大人しくしてろよ。ラルも来るだろう?」

『彼女たちも呼ぶんでしょう? いいわよ』

「大丈夫だよ。ちゃんと言ってあるから」と言ってアディを見る。


 どうやら彼はナディアに言ったのではなく、ショウに話をしたらしい。


『でも、今回は遠慮する。今やりかけてることもあるし』


「少しは息抜きしろって前に言っただろう?」カイが話に入ってくるので『その息抜きで手が離せないのよ』


「なんだそれ」

『ちょっとはまっちゃってることがあってね』

「今夜くらいいいじゃないか。来ればナディアたちと話ができる」


『今、途中で手が離せないのよ』と言い返したとき、タキとスタンが入ってきたので話は中断した。


 二人が席に着くと「忙しいところを呼びだして悪いね」アディが断りを入れ、今現在の各領主の動きと、情報部員をチーム分けして配置したことなどの報告をする。


 その後、スタンが資料を配り「今、幾つか救出計画を立ててるが、保留することになった」


 資料に目を通すアディが「あと、ジットの家族はここに残ることになった」と言うので『彼は、自分だけ残って家族は大陸から逃がすと言ってたけど』ミランドが確認すると「奥さんに、せっかく家族が揃ったのに、また離れるようなことはしたくないと言われて、承知したそうだよ」


「当然だ」と言うタキが「一緒に居たくとも、居られない人がたくさんいるんだ」と口を挟んでくる。


 彼の家族は全員殺されていることを、みんな知っていた。


「家族を危険な目に遭わせたくないという、ジットの気持ちもわかってやってくれよ」

「それはわかる」


「とにかく、今回の白亜の要塞の件と、情報部員のチーム化もあったので、しばらくの間、救出活動は控えることにする。これからの任務は、今まで以上に慎重にいかないとけないからな」


「懸命だな」タキが同意するので『仕方ないわね』同意するミランド。


「急いては事を仕損じるってか」

『あらカイ、難しい言葉を知ってるのね』

「そんくらい知ってるよ!」


『偉い、偉い』カイの頭を撫でるので「俺、またラルのオモチャになってんな」ムスッとすると「オモチャ?」聞き返すアディに「カイは、等身大のラルのオモチャらしい」


「お前さあ、いっつもフォローしてくれねえよな」タキに抗議すると「人を頼るな」

「これだよ」


「まあまあ」と言いつつ笑うアディが「計画が実行できるようになったら声を掛けるから、その間に体調を整えておいてくれ」締めくくると会議は終わった。


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