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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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45-1 緊急事態の発生

 

 そして、異変が起こったのは、ラルがペドニロスの屋敷へ向かって五日目のことだった。


 その日の夜の湖会議。


『ラルから連絡がこないの?』深刻な顔をするエミア。

『こんなこと初めてだから心配で』落ち着かないミランド。

『今の段階では、捕まったのか、何か起きて連絡できないのか、わかりませんわね』考えるウィルシー。


『次の連絡はいつ来る予定なの?』

『いつも一日おきに来るけど』

『では、次は明後日ですわね?』

『そうよ』


『次も連絡がこなかったら、捕まったと見たほうがいいわね』エミアがウィルシーを見ると『そうですわね』深刻そうに頷く。


『エミア、詳しい情報が欲しいから、誰か行かせてもらえる?』ミランドが頼むと『そうね』


 数名のイータル ヴェンティを呼ぶと、ラルが潜り込んだペドニロスの屋敷へ行って、現地にいるイータル ヴェンティに状況を聞いてくるよう指示をだし『考えたくはないけど、最悪の事態を考えて準備しておきましょう』と声を掛ける。


 しかし、予定の日になってもラルからの連絡はなかった。

 再び夜会議。


『エミア、情報は取れまして?』

『ラルが捕まったことは確かね。屋敷のメイドたちが休憩で庭に出てきたとき、彼女の世話役になったと話してた人がいたそうよ』


『大丈夫かしら?』不安なミランドに『大丈夫よ。殺されるようなことはないわ』エミアが声を掛けると『なぜ? 侵入者は殺されてしまうのよ。万が一、殺されなかったとしても、なぜ屋敷に忍び込んだのか、口を割らせるために拷問するでしょう?』


『敵は、ラルたちシルバーフェニックスがグループを組んで、仲間を救出してることを知ってるのよ。侵入者を捕まえたら、最初にシルバーフェニックスかどうかを確かめるはずよ。殺してからわかったら大変でしょう?』


『そうね。だとすると、ラルの正体がバレて、監禁されてるということになるのね?』

『だから、どこに閉じ込められてるのか、まずは調べないといけないのよ』


『幽閉されている彼らはどうしますの?』

『そこまで手が回らないわ。まずはラルを助けるほうが先よ』

『そうですわね』


『私たちは屋敷の中に入れないから、ウィルシーのほうで手を打てないかしら?』

『ミランド。グループから送られてきた資料、持ってますかしら?』


『ええ』バッグから取りだすと『敷地内に噴水かなにか、水が通っている場所がありますかしら?』


『中央ホールに泉がある』見取り図を見せると『ここはダメですわ。メインエントランスから直結してる場所ではビジネス関係者が通るので、ラルの情報が取れるとは思えませんわ』


『でも、そこだけしかなさそうよ』

『そうですの。では、他の方法を模索するしかなさそうですわね』


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