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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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44 夜会議

 

『彼について、何か掴めまして?』会議を始めるウィルシー。


 食後、ミランドは恒例の会議のために湖へ来ていた。

 エミアと三人で話し合う。


『少しだけ。最近、何か考えごとをしてるらしいの』ミランドがスタンドのおばちゃんから聞いたことを話し『ティータイムのとき、それとなく様子を見に行ったんだけど、確かにおかしかった』


『まあ、見つかりませんでした?』

『変装してったから大丈夫よ』

『ああ、あなたは外見を変えることができるんでしたわね』


『ところが、今回はそれができなかったの。ラルがいないから、他の人に変身したらラルに戻れなくなってしまうのよ。だから、髪型と服装を変えて、眼鏡を掛けていったの』


『それで、他に何か掴めた?』エミアが確認すると『いいえ。言われたこと以上はわからなかった。だから、アディに、それとなく、聞いてみたんだけど……』


『なんて危険なことをなさるの!』

『……迂闊(うかつ)だった』

『大丈夫だったの?』心配そうに聞くエミアに『なんとか。彼って本当に怖い人ね。ただ答えただけなのに、どんどん隠してたことを見抜いていくんだもの』


『彼を甘く見てはいけませんわ。ラルと代わったこと、気付かれませんでした?』

『まだ大丈夫だと思うけど……薄々妙だと感じてるみたい。今日もラルが二人いる錯覚をすると言われたの』


『バレかけてるじゃないの! もう、余計な行動しちゃダメよ!』

『私も、途中からやばいと思いはじめた』


『とにかく、彼だけは絶対に気を付けてよ。見破られでもしたら、ラルが戻れなくなってしまうんだから』


『もう二度としないわよ。今回のことで懲りたもの』


『これから用心しないといけませんわ。ミランドが聞いたことで、彼はきっと探りを入れてきますもの』

『そうね。焦ってたから、本当にマズいことをしたと思ってる』


『それで、当の彼はどうだったの?』エミアが核心を聞くと『ダメ。アディが聞いてくれたみたいなんだけど、彼も大したことじゃないと答えたそうよ』


『何が起きたのかしら? その事は本人に聞かないとわからないわね』困った顔をするエミア。

『仕事関係のことですかしら?』

『まったくわからない』お手上げのミランド。


『今は、向こうの動きに注意することしかできないわね』エミアがミランドを見ると『そうね』と頷く。


『とにかく、慎重に行動してくださいね。これ以上ラルに負担が掛からないように、気を付けてください』ウィルシーが注意する。


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