42-2 ズレる気持ち
そんなラルの元に、グループから新たなターゲットが指名されてきた。
領主たちの会合に出席を渋っている領主の一人で、ケッドマンと密に連絡を取り合っていたペドニロスが今回の指名者。
捕獲する計画が整ったため、実行するようにとのことだった。
以前、ラルが助けに行ったメンバーが持っていた情報というのが、ペドニロスのことだったのである。
ラルは送られてきた資料を読み、出発する準備を始めた。
『私は反対よ』
「ミランド」
『自分だって、体調が良くないことくらいわかってるでしょう?』
ここのところ出たり入ったりで、ラルの顔には疲れが見えていた。
『日程を延ばすことはできないの? じゃなければ、他のメンバーに対応してもらうとか』
「無理よ。ほかのメンバーがいる場所からだと移動する時間が掛かりすぎるし、今を逃すと、また一から情報を取って計画しなおさないといけなくなる」と言われて、首を横に振る。
「大丈夫よ」明るく言うラル。
『なにかあったら私の手鏡で連絡して。それと、危険だと思ったら無理をせず、必ず引くこと』
「わかった」
『外にイータル ヴェンティの二名がいるから、危なくなったら助けてもらうこと』
「うん」
『とにかく、捕まったら元も子もないんだからね』
「気を付ける」
心配顔のミランドに見送られて、ラルは本部をあとにした。
入れ替わったミランドは、呆れながらもラルがいつもやっていることを守って、グループから送られてくるデータをもとに調査をはじめた。
『こんな事でいいのかしら?』ラルと代わるたびに考えてしまう。
そして、変わるたびにグループへラルの近況を報告していた。
もちろん、ショウのことも細かく報告している。
しかし、グループからは、もう少し様子を見て、その都度、連絡してほしいと返ってくるだけ。
『向うでも彼の行動に不信感を持ってることはわかるけど、もう少しってどのくらいなのかしら? その前にラルが倒れるわよ』
相変わらず部屋から出るときは周りにナディアたちがいないか気を遣い、食事のときもラウンジでお茶を飲むときも、周りの視線に気を遣う。
『まあ、独りのほうが気楽だというのはわかるけど、どうしてコソコソしないといけないのかしら?』
ラルと同じ行動をとるため、ラル目線で追体験することになる。
『アディは、ここまでラルが虐げられてることを知ってるのかしら?』彼に相談してみようか考えると『とりあえず、ウィルシーたちに相談してみよう』




