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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
41/699

23 任務開始


「ンー、気持ちいい!」ビーチに置いてあるロッキングチェアに座って海を眺める。「さてと、美味しそうな果物でもいただきますか」


 紙に書いてあるとおり皮を剥くが、そこから先がわからない。


「どういう意味かしら?」


 紙には、回して飲む、としか書いていない。


「どういうこと?」

「これは、ミキサーに掛けて、ジュースにして飲むという意味だよ」


 声のするほうを見ると、小麦色に焼けた肌に、金の腕時計をした若い男が立っていた。


「あなたは?」

「初めまして。俺はアレン。この先の別荘に住んでるんだ」


「まあ、別荘に?」

「隣、座ってもいいかな?」


「ええ、どうぞ」

「ここへは観光で来たの?」


「そうよ」

「名前、聞いてもいいかな?」


「マルガレットよ」

「マルガレット。君にピッタリのきれいな名前だね」


「ありがとう」

「どこから来たの?」


「メルクールよ」

「ヘェ。俺もメルクールに住んでたんだ」


「まあ、そうなの」

「偶然だな。ここにはどの位いるの?」


「二日よ」

「来たばかり?」


「昨日着いたの」

「恋人も一緒?」


「いたら、一人でこんな所にいないわ」

「それもそうだ」


「今度はあなたのことを聞かせて。質問に答えたんだから」

「ああ、そうだね。金融業をやってるんだ。スタンレーって聞いたことない?」


「あの有名なスタンレー氏のこと?」

「そう。親父が昨年亡くなっちゃって、今は俺が会社を引き継いでるんだ」

「エエッ! 本当?」


「結構テレビにも出てるんだけど、見たことないかな?」

「見たことあるけど、こんな所で、しかも、真っ黒に日焼けしてたらわからないわ」


「そっか、そうだよね。じゃあ今夜、俺の別荘に来ないか? 本物だって証拠を見せるよ」

「いいの?」


「あとで迎えに行くよ。どこに泊まってるの?」

「ブルースカイホテルよ」


「ヘェ、あそこに泊まってるんだ。この島で一番高級なホテルだよ」

「とても素敵なホテルだわ」


「だろう。俺が経営してるんだ」

「あなたが?」


「誉めてもらって嬉しいよ」

「帰ったら、フロントに飾ってあるあなたの写真をジックリ見てみるわ」

「ぜひそうしてほしいね。じゃあ、七時に迎えに行くよ」


『もしもし、私です。思ったより早く彼と接触できたわ……ええ、今夜、彼の別荘に招待されたの……ええ、戻ったら報告を入れるわ……じゃあ』


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