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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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41-2 カイのお見舞い

 

「その目的は、本部の場所ね?」

「それしか考えられないだろう?」


「で、代わりの情報部員は行かせたの?」

「それはアディに言ってあるから、もう誰かを派遣したと思うぜ」


「ジットの娘さんたちは調べたの?」


「もちろん。起点となってる村に戻る前に、盗聴器類が付けられてないか、彼女たちの髪から服から持ち物まで全部調べて、着てた服はその場で別の服に着替えてもらって、焼却した」


「大変だったわね。お疲れ様でした」

「こんなこともあるさ」


 話を聞き終ると、検査の時間だと看護師さんが呼びにきたので席を立ち、その足で会議室にいるアディを訪ねた。


「ちょっといいかしら?」

「ああ、大丈夫だよ」テーブルに広げていた資料をどかしながら椅子を勧めるので「すぐ済むからそのままでいいわよ」彼の手を止め「今、カイのところへ行ってきたの」


「そうなんだ。そういえば、僕も顔をだしに行かないといけないな。退屈してだんじゃないか?」

「話し相手がいないと駄々をこねてたわ」

「フフッ、そうなんだ」


「カイから白亜の要塞へ行ったときの話を聞いたんだけど、情報部員たちの面が向うにバレてたんですってね」


「ああ、それは聞いたよ」

「じゃあ、対応策は考えてるのね?」


「もちろん。これがその資料」テーブルの上を指し「これから情報部員をいくつかのチームに分けて、エリアごとにリーダーに監視させようと考えてるんだ。他の場所も同じ可能性が出てきたからね」


「そうなの。よかった。そこのところがどうなってるのか知りたかったの」

「他のところの情報部員に確認を取ったら、そういう兆候は見受けられないと返事がきたけど、油断はできないからね」


「そうね。じゃあ私は戻るわ。仕事の邪魔をしてごめんなさい」

「いいよ。これからも気付いたことがあったら、いつでも教えてよ」

「わかった」


 会議室から出ると自分の部屋に戻った。


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