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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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40-3 エスカレートする行動

 

 そんな状態がさらに一ヶ月近く続いたある日。


 白亜の要塞へ向かっていたジットたちのチームが、彼の二人の娘を連れて戻ってきたが、チームの半分が負傷し、ジットもその中に含まれていた。


 ケガの治療を終えたジットが会議室に入ってくると「大丈夫ですか?」ラルが声を掛ける。

「これくらいの傷で娘たちが取り戻せたのなら、軽いものだよ」体中、包帯が捲かれている状態なのに、満面の笑みで答える。


「とにかく、みんな無事でよかった。それで、娘さんたちは?」

「家内のところにいるよ」


「奥さんはさぞかし喜ばれたでしょうね」ショウが話に入ると「久しぶりに家内の笑顔を見たよ」嬉しそうに目じりを下げる。


「ところで、カイとスタンはどうしたの?」姿が見えなのでラルが聞くと「カイは入院したよ。左脚を骨折したんだ。全治半年だとドクターから聞いてる。スタンは、今回のことをコンピュータにインプットしてるよ」答えるアディ。


「カイは入院したの?」


「階段から落ちたんだよ。娘を庇ってね。彼にはお礼をしないといけない」ジットが説明すると「その時、頭を打ったらしいから、精密検査を受けることになったんだ」補足するアディ。


「今回は厳しかったよ。作戦も半分しか成功しなかった」ジットがため息交じりに話すので「では、彼らは救出できなかったの?」


「……ああ」申し訳なさそうに頷くので「今回のことで、向こうは仕掛けなど変えるだろう。また調査をしなおして作戦を立てるよ」アディが口を挟む。


「申し訳ないね。娘たちを助けるだけで、精いっぱいだったんだ」


「娘さんたちが戻ったし、みんなケガを負ったが無事だったんだ。ジットを責めるのは良くない」とショウが言うので「責めてないわ。いつも作戦が成功するという保障はないもの。こういうときだってあるわよ」


「とにかく、ゆっくり休んでくれ」声を掛けるアディ。

「久しぶりに家族が揃ったんだもの。家族団欒を楽しんで」

「ああ、そうさせてもらうよ」笑顔で答え、ぎこちなく歩いて会議室から出ていく。


 ジットのあとから会議室を出るラルに「この後、時間あるか?」ショウが声を掛けてきた。「話がある」


「……どこで話すの?」

「打ち合わせ室なら空いてるだろう?」

「そうね」


 同じ階にある打ち合せ室へ向かっている途中で「カイのお見舞い、いつ行ったらいいかしら?」

「精密検査の結果が出てからのほうがいいだろうな」

「そうよね。骨折、ひどいのかしら?」

「どうだろうな」


「あ、ちょっと待ってて。スタンに、今回の報告書のコピーを取らせてもらうから」


 少し先にあるリサーチルームへ入り、コピーを二部持って出てくると、頭数が増えていた。


(やっぱり出たか)ため息を吐き(すごい情報網を持ってるのね。ニュースソースはナディアの信者かしら?)


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