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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
404/722

40-2 エスカレートする行動

 

 最初は無視していたものの、ナディアが仕組んだのだろうと思う嫌がらせが始まったので、仕方なく折れることにしたのである。


 その嫌がらせというのは、ナディアにお熱を上げている数名の男性が、ラルが組織のコンピュータ内で作成している資料を勝手に削除したり、別のデータを上書きしてしまうことから始まり、ラルの身の回りのものが無くなったり捨てられていたり、挙句の果て、ウイルス付きのメールが送られてくるまでに発展していったのである。


 そしてそれは、ラルがラウンジへ行く回数を減らすと収まっていった。


「警告にしては底意地が悪いわよね」部屋でティーパックの紅茶を入れる。「私を部屋に隔離して、ショウと会わせないようにするつもりなのね」テーブルに二つ並ぶPCを見ると「モテすぎる相棒を持つと苦労するわね」


 部屋から出られないので小型のPCを借りてくると、自分の部屋から本部のメインコンピュータへアクセスし、ワークセクションへはアディが招集を掛けたときか、どうしても行かなければならないとき以外、行くことが無くなった。


 ナディアの配下となった男たちに監視されているのがイヤなことと、グループからの任務が多くなったので、その都度、人目を気にしてリサーチルームでコンピュータを操作しなければならないことが大変になったからだ。


 しかし、アディたちに不審に思われたらいけないので、そこのところの行動も考えなければならないのが大変だった。


 そして、任務で本部から抜け出すたび、ミランドに呆れられていた。


『どこかで爆発するかもしれないわよ』

「迷惑かけてると思ってる。けど、お願い」

『なぜここまでしなければならないの?』

「それは……」


『彼は全然知らないんでしょう?』

「……ええ」

『なぜ教えないの?』

「彼にとって、今のほうがいいからよ」


『じゃあ、コンビを解消したら?』

「私からは言えない」

『ここがわからない』首を横に振る。


「事を荒立てて騒ぎを起こしたくないのよ。下手したら身動きが取れなくなってしまう。

 そうなると任務がこなせなくなってしまうでしょう?


 いろいろと大変だけど、ここにいたほうが欲しい情報がすぐ手に入るし、物資も揃う。

 なにより、療養してる彼女たちを王国へ連れ戻さないといけない」


『その代償ということ?』

「……そうね」



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