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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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35-2 第二作戦 完了

 

 部屋に戻ったミランドはノートPCを立ち上げると、グループへラルが任務を完了した報告を入れるため、メールを作成しはじめた。

 

 お昼になると、ラウンジ内にあるスタンドでテイクアウト用のスパゲティとサンドイッチを頼み、湖へ行くと、ウィルシーが作る金色の道を通ってラルのところへ向かう。


『お待たせ。お腹が空いたでしょう? すぐ用意するから』

 

 ミランドは紙袋からスパゲッティとサンドイッチを取り出すと『サンドイッチは夜に食べて』ラルに見せ『熱い紅茶を入れてきたから』保温機能付きのボトルと一緒に持ってきた小さなバッグに入れる。


 その後、湯気で白くなったスパゲッティの蓋を取ると、フォークに巻き付けてラルの口へ運ぶ。


「ごめん、なさい。こんな事、まで、やらせて」

『なに言ってるの』

「懐かしい、この味」


『スタンドのおばさんに「珍しい。誰かと外で食べるのかい?」って聞かれたわ』

「なんて、答えた、の?」

『全部私が食べるのよって言ったら、おばさん、目を丸くしてた』


「ヤダ。今度、会ったとき、なんて、言われる、かしら?」

『太らなかった? 辺りかしらね。本当に、ラルはもう少し太らないといけないわよ』

「そう、思うん、だけど、食が、進まなくって」


『いけないことね。とにかく、傷が治るまでちゃんと食べてね』

「……ええ」


 胸の打撲痕が痛むのか思ったより食が進まず、半分残ったスパゲティは持ち帰ることにし、薬の入ったポーチをバッグから取りだして、痛み止めと栄養剤を選ぶと一つずつ飲ませていく。


 とりあえず温かい食べ物を食べたせいか、ラルがホッと息を漏らすので『ゆっくり休んで』タオルケットを肩まで掛けると「ありが、とう」


 その後、バッグから小さなポーチを取りだし、痛み止めと栄養剤を入れると『緊急用に入れておくから』傍にいるイータル ヴェンティのアウラ リートレとアウラ マリスに見せて、サンドイッチを入れたバッグに入れる。


 ラルがウトウトしはじめたので、ホッとするミランドが『じゃあ、そろそろ戻らないといけないから、夕食まで寝てて。エミア、お願いね』


『こっちは大丈夫よ』彼女の返事を聞いて、ミランドは湖を渡って本部へ戻った。


 二日後、傷の痛みがだいぶ引いてきたらしく、ゆっくり寝ることができるようになったので、少しずつ食べる量が増えていた。


『食欲が戻ってきてよかったわ』

 

 ミランドが薬の入ったポーチをバッグから出すと『エミア、薬の調達をお願いできるかしら? グループには連絡してあるから、ここまで取りに行ってほしいの』一枚のメモを渡すと『時間は?』

『午後十時よ』


『わかった』立ち上がると、他のイータル ヴェンティたちにラルのことを任せ、女王自ら取りに行く。

「みんなに、迷惑、かけて……ごめん、なさい」


『なに言ってるのよ。私たちのことは気にしないで。あなたたちキラのメンバーが動けるようにサポートするのは、当然なんだから』ミランドが言葉を返す。


 その後、ミランドが戻ると本部内が騒然としていた。

 ケッドマン会長失踪のニュースが飛び込んできたからだ。

 ミランドは急いで部屋へ荷物を置くと、六階にあるワークセクション内の会議室へ向かった。


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