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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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24-2 仲間のケア

 

「これで、彼らも安心しただろう」紅茶を入れるショウ。

「彼女たちは、どんなことをしても王国へ連れ戻さないといけない」カップを受けとり「明日から忙しくなるわね」飲みはじめると「そうだな」ショウも向かいに座って飲みはじめる。


 次の日、アディが、PFSが彼らに行っているケアの方法をみんなに教えてほしいと言ってきた。


「それと、設備に不備がないかも見てほしいんだ」


「そうなると、みんなに資料を配ったほうがいいわね。どんなときにでも対処できるように、一人ずつ持ってたほうがいいでしょうから」

「さっそく、PFSから保護施設の資料を取り寄せる」


「君たちが来てくれてよかったよ。この部分だけ、どうしても資料が集まらなかったんだ」ホッとするアディ。

「彼らのケアについて、PFSが一番研究してるからな」

「早速、資料を作るわ」

「至らないところがあったら言ってくれ。すぐに対応するから」


 ラルの部屋に戻ると、資料を取り寄せる。


「アディが許可してくれたお陰で堂々と調べられるな」向かいに座っているラルに声を掛けると「PFSに加入してて良かった。あそこから資料を引き出せなかったら、グループの資料を混ぜて見せられなかったから」


 それから二日後、危篤状態だった少女は奇跡的にも一命を取りとめたと、アディが教えてくれた。


「本当!」会議の席で身を乗りだすと「ギリギリだったとドクターが言ってたよ。あと半日くらい遅かったら、合併症を起こして助からなかっただろうって」

「よかった」


「君たちがくれた資料のお陰だよ。あれに細かく処置の仕方が書いてあって、とても助かったそうだ。本当にありがとう」

「ドクターの腕もよかったんだ」笑顔になるショウ。


「やはり、彼らの治療に関してはPFSがダントツだな」

「長い期間、彼らと接触してるからな」


「一回彼らを裏切った、と僕たちは軽蔑して見てたんだが、あの事件を起こしたのはごく一部の者で、それを暴いたのが、当時PFSにいた君たちだったんだからな。他の局員たちはまじめにやってたんだ。これからは見る目を変えないといけないな」


「アディがPFSに抱いてる気持ちがソックリ今の彼らの気持ちなのよ。信用を失うということがどれだけ影響するか。そして、信用を取り戻すことがどれだけ大変なのか、わかるでしょう? ましてや……私たちは……彼らに、もっとひどい事をして、その信用を、粉々に、してしまったのよ」


「この事は組織全員に教えとくべきだ。これは必要最低限、知ってなければならないことだからな。そして、信用を取り戻すことがどれだけ大変なのかも、認識させとくべきだ」


「今度開く本会議の席で、みんなに伝えるよ」


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