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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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22-1 次の手の内

 

「今回は上手くいったな」ラルの部屋に来ているショウ。

「何言ってんのよ。ますます彼は、私に興味を持ってしまったわ」


 ラルは、さっきの話し合いでわかったことをグループへ送るため、テーブルに座って報告書を作成している。


「それは仕方ないだろう。その代わり、アディの考えが少し掴めた収穫のほうが大きい」

「そうね。彼は私たちと接触したがってる」

「それも、だいぶ前からそう思ってるらしい」

「あら、だいぶ読みが鋭くなってきたわね」


「これくらいは、彼の話すニュアンスからわかる」

「そこを()み取ることができるようになったのね」

「勉強させていただいてますので」

「よろしい」


「ところで、グループのほうはアディのことをどう見てるんだ?」

「まだ彼に関する資料が集まってないから、結論は出してない。でも、これからの活動において、彼の動きはマークする必要があると言ってる」


「当然だな。今回の任務だけを取っても、彼の頭の切れ具合には目を見張るものがあるからな」

「こっちも、今まで以上の警戒が必要になるわね」



 そして、体中の痛みが治まってきたころ、二人に話があるから会議室へ来てほしいとアディが言ってきた。


「何かしら?」ラルが向かいに座ると「当分の間、救出活動を休止することにしたんだ」

「えっ、なぜ?」

「他の領主たちが、急に幽閉先を変えはじめたんだ」


「まさか、彼の所がやられるなんて、と驚いてるのかしら?」

「まあ、いくらか動きがあるだろうと予測してたけど、そんな単純な理由じゃないと思う。裏で何かが動いてる感じがするんだ。今、その事を探らせてるよ」


「調べ直しじゃ、時間が掛かるな」ラルの隣に座っているショウが話に入ると「最初からじゃないから、そんなに掛からないと思うよ」


「それだけ、潜り込んでる情報部員が重要なポジションについてるということか」

「まあね」


「その間、私たちは何をすればいいの?」

「そろそろこちらの手の内を一つ見せてもいいかな、と思ってるんだ」

「何を交換条件で?」

「……相変わらず感がいいね」


「そう? 勉強の成果かしら?」

「僕は何も教えてないけど」

「修行中は親方の技を盗めっていうの、常識でしょう?」

「親方?」


「俺も勉強させてもらってるよ」

「ショウまで何言うんだよ」


「で、こっちは何を話せばいいの?」

「何を話してくれるのかな?」

「こっちが選んでもいいというの?」

「構わない、と今回は言えないんだ」


「あら、そんなこと言うなんて珍しいわね」

「こっちから指定していいかな?」


「聞いてから答えるか決めていい、と取っていいのかしら?」

「できれば答えてほしいんだけど」

「何かしら? 切羽詰まってるように見えるけど」

「言ってもいいかな?」

「どうぞ」


「PFSが、救出した彼らにどんな事をしてるのか、ケアの面を含めて、彼らの治療に関する細かい資料が欲しいんだ」



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