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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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21-4 グループからの接触


「君の誘導尋問に引っ掛かったのかな?」

「ええ。とても不可解な人だったから気になったの。タキも彼には興味を持ってたわ」


「もちろん」と答えると「俺は全然わかんなかったけどな」

「カイには無理だ」とタキに言われ「何だよ、その言い方は」口を尖らせて文句を言う。


「カイは、ビールのうまさですっかり彼を見る目が変わってしまったからな」

「悪いなあ。じゃあ、ショウも爺さんを疑ってたのか?」

「ああ」

「チェ! 何だよ。俺だけ除け者かよ」

 

「俺は、ラルに止められて屋敷内を調べるのを断念したんだ」とタキが言うので「私が別館内を見回ったのは本当よ。そのあとで彼の正体がわかったの。そして、基地へ戻るまで、この事はタキたちに話さないようにと言われたのよ」


「それで、この手紙を渡されたというのか?」テーブルの上にある例の手紙を指すので「そうよ。約束を守ることで向うの信用が少しでも得られれば、それに越したことはないでしょう?」

「確かにそうだが……」


「不満はわかる。でも、あの時はああすることが一番いいと思ったのよ」

「では、向こうのこちらに対する印象は、その手紙に書かれてることより少しはマシだというのか?」


「それは難しいね」アディが話に入ってくる。


「なぜ?」怪訝そうにタキが聞き返すと「向こうは人間をひと(かたまり)で見てる。いくら俺たちが味方だと言っても、今の段階では信用してくれないだろう。信用してないから、証拠を消すために爺さんは屋敷を解体したんだ」


「なるほどなあ。屋敷を解体した意味はそこにあるのか」納得するカイ。

「本当に、アディにはウソが吐けないわね」ラルが困った顔をすると「君がこの手紙をもらったと聞いて、裏があると思ったんだ」


「なんで?」

「さっき、タキから今回の報告書をもらって読んでたとき、屋敷に行ってからの君の行動が、お爺さんを(かば)うものだったからだよ。そこへ手紙を受け取ったと聞いて、何かあると思ったんだ」


「ご推察のとおりでした。でも、それだけよ」

「十分だよ。これで、今現在の向こうの動きが予測できる」

「どういうふうに?」


「君も予測できるだろう?」と言って話さないので「ケチ」と言い返すと、苦笑して「正直言って、これから分析するところなんだ。今聞いた、君の話も組み入れないといけないからね」


「じゃあ、予測できたら教えてね」

「その時は、君の予測も教えてもらいたいね」

「私の予測なんて、参考になるかしら?」

「もちろん。君たちの見解は大いに参考になるよ」そう言って、口数の少ないショウを見る。


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