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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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21-2 グループからの接触

 

 翌朝、ラルたちは任務の結果を報告するため、本館の六階にある会議室に集まっていた。


「他のチームは、無事に作戦を遂行できたよ。救出した彼らは今、療養施設で検診を受けてもらってる」アディが先に話しだすと「俺たちだけが失敗か」肩を落とすカイに「ある意味では失敗だが、本当の意味でいけば成功したことになる。そうガッカリするな」


「しかし、こちらの意図をまったく理解してくれてないとは、予測はしていたが少々残念だ」と言うタキに


「それは仕方ない。人間はそれだけのことを彼らにしてしまったんだから。

 今は、彼らの意思が聞けただけでも嬉しいよ。黙ってればいいのに、こうやって手紙を寄越してくれたということは、向うも我々の行動に関心があるということだからね」


 アディは接触できたことに満足しているらしい。


「そうは思うが、向こうが俺たちも敵とみて行動するということは、出会ったとき、向こうはこっちを攻撃してくるということだ。俺たちは手が出せない。そうなると俺たちの立場は不利だ」


「だからといって、応戦するのか?」アディが意地悪く聞くので「俺を試すのはやめてくれ」

「そんなこと言うからだよ」


「本当のことだ。ここのところは、きちんと決めておかないといけない」

「もちろん考えてるよ」

「どうするの?」ラルが聞くと「一定の距離を保つ」


「基準は?」

「彼らと会ったときはサポートに回る。それ以外での接触は、こちらからは仕掛けない」

「サポートって、下手したらこっちの身が危なくなるのよ」

「そこのところは、リーダーの判断に任せる」

曖昧(あいまい)なのね」


「向こうの出方次第でこっちの行動を決めなくては、犠牲者を出すだけだ。下手に向うを刺激して、こちらの意図をこれ以上勘違いされたら、僕たちのやってることは意味がなくなる」


「向こうに、こちらの意図を認めてもらうことが一番だというの?」

「当然だろう?」興味のある顔でラルを見るので「あら、その顔はいただけないわ」


「君が面白いことを言うからだよ」

「ラル、冗談言ったか?」カイが不思議そうに聞くので「いいえ。普通に言っただけよ。何が面白かったの?」

「君が、僕の考えを確認しようとしてるからだよ」


「あなたの考えを? なんで?」

「君が僕の真意を知りたがってることは知ってるよ。でも、今回のニュアンスがちょっと違ってたからね」


「ニュアンス?」

「君が向う側に付いてるような言い方をしたからだよ」

「はあ?」

「君がこの文章を書いて、僕がどう動くのか、探りを入れてるように思えるよ」


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