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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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21-1 グループからの接触

 

「私も、この報告書を読んで何も言えなかった」

「とにかく、疑ってすまなかった」ショウが頭を下げる。


「信用されてないとわかってショックだったけど、ショウの読みはほぼ当たってたから」

「俺はお前だと思い込んでた。疑問を持ったときに聞くべきだったんだ。俺の頭には、お前が一人で任務を遂行してしまう、という思いがあった」


「そう思われても仕方ない。今までの私は、一人でいいという考えがあったから」

「俺も悪かった。これを機に考えを改める」と言って考え込むので「何か気になることでもあるの?」


「……ああ」と言ってまた黙り込むので「何よ」

「なぜ彼らは、お前が仲間だと気付かなかったんだ?」


「どういう意味?」

「今まで、幽閉されてたお前の仲間は、お前を見ただけで仲間だとわかっただろう?」

「ああ、そのこと」


「なぜ彼らは、というか、お前も、どうして仲間だと気付かなかったんだ?」

「それは……」

「それはなんだ?」

「……確認する方法があるのよ」


「確認する方法? では、見ただけじゃわからないということか。それはどんな方法なんだ?」

「それは、言えない」

「なぜ?」

「わからないの?」

「なにが?」


「確認する方法がバレたら、誰がメンバーなのかわかってしまうからよ」

「あ……」


「今回は、お互い相手が仲間だと思ってなかったから確認しようと思わなかった。だからわからなかった。こうとしか答えられないわ」

「……わかった」


「……それと、彼らのことは、さっきタキに話したわ」

「メンバーだったことを話したのか!」

「ええ」

「なぜ!」


「幽閉されてた仲間が消えた理由が必要でしょう? それに、メンバーがこの大陸に来てることはすでに知られてるから、話しても違和感はもたれない」

「だからといって……」


「入れ知恵しといたのよ。これからこういうことが起こり得るって」

「なぜそんな事がわかったのか、と聞かれただろう?」

「もちろん。だから、こういうものを作ったのよ」


 手元に残しておいた最後の紙をショウに渡す。


 組織員へ


 君たちの裏を()くようなことをしたが、それは、説明しなくともわかっていると思う。

 君たちの行動はこちらでも確認している。


 しかし、我々の考えでは、幽閉場所が変わったとしか受け取っていない。

 そのため、今後、このような形で会うことがあると思うが、我々は、君たちも敵だと思って行動する。



「ずいぶんと挑発的だな」苦笑すると「グループが指示してきたのよ」

「では、これがグループの意思ということか?」


「この文章を読んで、どう動くのか見てみたいというのが本音よ」

「これは、どこから入手したことにしたんだ?」


「お爺さんの屋敷にいたとき、彼が私のポケットに入れたんだろうと話したわ」

「なるほど。タキはこれを読んだあと、何か言ってたか?」

「ため息を吐いてたわ」


「だろうな。組織の意思が通じてないとわかったんだからな」

「アディがこの文章を読んで、どう思うのか聞きたいわ」


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