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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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20-2 事実は予想より奇なり


 「あの3D機はお爺さんである弟が作ったそうよ。仕掛けた理由も、助けだした仲間があの屋敷の本館にいたことも、急に引っ越したことも、ショウが推測したとおりだった。勘違いして当然よ」


「しかし、3D機が作れるくらいの腕を持ってるんだったら、通信機を作るくらい造作もないだろう? 買うことだってできたはずだ。なぜグループに連絡しなかったんだ?」


「捕まった弟を助け出したとき、バッグを爆発で消失してしまったんですって。だから、グループに電話することもサイトに入るパスワードもわからなくって、PCや携帯を調達できても連絡できなかったそうよ」


「では、どうして今回連絡できたんだ?」

「救出した仲間の一人がキラのメンバーで、グループの電話番号を覚えてたから、連絡が取れたそうよ」

「そうなのか」


「こんなことになってたとは思いもしなかったわ」

「聞きもせずに、疑ってすまなかった」


「言ったでしょう、勘違いして当然だって。彼らの行動は私に置き換えることができるんだもの。その報告書の最後に、彼らの本当の顔写真と、私たちに宛てたコメントが書かれてるわ」


 ショウが最後の紙を見ると、二人の男の写真付きプロフィールが載っていた。

 二人とも二十代の顔をしている。



 偶然とは予期しないときに起こるもの。

 確かにそうですね。


 まさか、あなたたちがキラのメンバーだったとは思いもしませんでした。

 てっきり、オヤジさんたちが加入してる組織の者だと思ってましたので、グループへ連絡が取れたとき、本当に驚きました。


 しかし、我々も必死だったことをご理解ください。


 三年半前、命からがら逃げだしてから今日という日が来るまで、私たち兄弟は、正体がバレるのではないかという恐れと戦い、グループと連絡を取ることができないという現状からくる不安を隠し、しかも、仲間が幽閉されているのを、指をくわえて見てきたんです。


 そして、やっと幽閉されていた仲間を救いだし、我々も無事に戻ることができました。


 この苦労に免じて、どうか仲違いを収めてはもらえないでしょうか。

 私たちのせいで、せっかく組まれたコンビを解消するということだけはお止めください。


 私たちも、体調が治りしだい、任務に復帰するつもりでおります。


 もしどこかでお会いすることがありましたら、その時に、きちんとお詫びをするつもりでおります。



 ショウは、読み終わるとため息を吐いた。

「本当に、偶然とは予期できないものだな」


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