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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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19-3 任務終了 違和感の追求

 

「彼女たちはお前から作戦の内容を聞いてた。だから昨夜、俺たちのあとを付けて倉庫の排水口まで来てたんだ。そして、通風孔に水が流されたとき、俺たちが見付かったとわかって、水が溜まっていく古城内に入ったんだ」

「……」


「どういう仕組みで俺たちが水中で呼吸できたのかわからないが、彼女たちが連れ出してくれたと考えれば納得がいく」

「……」


「流れ着いた先が、湖からかなり離れた爺さんの屋敷の敷地内だったことも納得がいく。でなければ、俺とタキ、二人とも同じように流されて、しかも、流れ着いた場所が同じだったことの説明が付かない。そして、お前たちまで流れ着いた」

「……」


「まだある。俺たちがあの屋敷にいたとき、古城に幽閉されてた彼らもいたはずだ。おそらく本館にいたんだろう。お前が俺たちが寝てた部屋にいたのは、監視するためだったんだろう?」

「……」


「俺たちが寝てる間にタキのポケットから起爆装置を取りだし、スイッチを押して爆破させると、カイのポケットから3D機を取りだした」

「……」


「あとは、一刻も早く俺たちを屋敷の外へ出すこと。爺さんが怪しいと(にら)んでたタキが、この機会に屋敷内を調べようとすることは読めてたはずだ。だからお前は、先に見てきたと言ってタキを止めた」


「面白い話ね」


「爺さんがお前の仲間じゃないかと思ったのは、爺さんが大の人間嫌いだと言ってたことと、あんな森の奥にある寂れた屋敷に、あれだけの警備を引いて、しかも、他の人間と交流を持たなかったことだ。


 そして、敷地内に湖から流れだしてる川の一つが通ってる。

 爺さんがあの屋敷に住みはじめる少し前に、幽閉されてた彼らがあの古城に運ばれてきたそうだ。


 爺さんは、彼らが監禁されてる古城を見張るためにあそこにいたんだろう?

 そして今日、爺さんが急に引っ越したと、さっきオヤジさんに連絡したときに聞いた」


「お爺さんがいつ引っ越しても構わないんじゃないの?」


「引っ越しの目的は、幽閉されてた場所の近くにいつまでもいたら、助け出した彼らが落ち着かないことと、調べにくる敵に見付からないようにするためだろう?」


「そんなこと、私が知るわけないじゃないの」

「ラル!」


「仮説を立てるのは勝手だけど、幽閉されてた彼らがいなかったからって、その度に私のせいにされたらたまんないわ」


「ここまで言っても、まだシラを切るのか?」

「シラを切るって、じゃあ、私が仕組んだって何か証拠でもあるの?」


「証拠はお前たちが全部消したんだろう?」

「何それ」


「爺さんの屋敷で目が覚めたとき、俺たちはパジャマを着てた。俺たちを着替えさせたのは、服に付いた証拠を消すためだ」


「それもショウの仮説でしょう?」

「……ラル」


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