表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第一章 保護活動
35/723

20-4 水面下の保護団体

 

「私がPFSを抜けたのは、と言うより、私がPFSに加入したのは、と言ったほうがいいわね。内部事情を調べるためよ」

「内部事情?」


「そう。PFSが保護した彼らをどう扱ってるのか。回復した彼らをその後どうしてるのか、探るためよ」

「ということは、キラがPFSに入る前から、グループは存在してたのか」


「狩りが始まってすぐにできたわ」

「そんなに早くから!」


「表面化してなかっただけ」

「じゃあ、PFSができたとき、協力してくれればよかったのに」


「それは無理よ」

「なぜ?」


「できない理由があったことと、保護団体は一つじゃなきゃいけないことはないでしょう?」

「確かに幾つあってもいいと思うけど、協力できなかった理由とは何だ?」


「できない理由があった」

「それは?」


「まったく、どうしてこうしつこいのかしら。できない理由があったということでいいでしょう?」

「よくない」


「もう! しつこい!」

「隠しごとが多過ぎるんだよ」


「話さなくてもいいことでしょう?」

「できなかった理由ぐらい話せるだろう? それとも、話せない重要な理由でもあるのか?」


「……活動形式がまったく違うのよ」

「どう違うんだ?」


 キラは苦虫を噛み潰したような顔をして「私たちは、バラバラに動いてるの」

「バラバラに? そうか。個人で動いてるのか。じゃあ、基点となる本部があって、そこから指示が出るんだ」

「……まあね」


「どの位の規模なんだ?」

「さあ。今はどの位いるのかしら?」


「で、どうしてPFSを抜けたんだ? もう調べなくていいのか?」

「代わったのよ。今は別のメンバーが監視に当たってるわ」


「戻されたのか?」

「いいえ。アルドの事件を解決したら、別の任務に付くことになってたの」


「俺が一緒だったからじゃないのか?」

「あのままPFSに残ることになってたら、一緒にやらなかったわ」


「そうか。で、今の仕事は?」

「あんたはグループのメンバーじゃないのよ。そんなこと話せるわけないでしょう?」


「俺のこと、グループに報告したんだろう?」

「もちろんよ」


「返事はノーだったわけだ」

「そう」


「なぜ? 俺がPFSにいたからか?」

「いいえ」


「じゃあ、どうして?」

「何度も言ってるでしょう? 入れないって」


「またそれかよ。なんで理由が言えないんだよ」

「私が採用を決めるわけじゃないのよ。グループが認めてくれなければ、どうしようもないでしょう?」


「俺は諦めないからな」

「もう一度言うわ。PFSに戻りなさい」

「ヤダね」


「……しょうのない人ね」説得を(あきら)めて席を立つと「俺が払う」伝票を取るので「いいわよ。この前(おご)ってもらったから」伝票を取り、レジへ向かう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ