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シルバーフェニックス戦記 ~護るべきものは~  作者: 夏八木 瀬莉乃
第六章 大陸にある保護団体
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18-2 作戦開始 イレギュラー

 

 十分後、一階の食堂にみんなの顔が揃っていた。


「こんな広い屋敷に一人で住んでんのか? それにしては手入れが行き届いてんな」


 二十人は座れそうな細長いテーブルの端に、四人分の食事が並べられている。

 どうやらこの別館は、来客用として使われていたらしい。


「使用人がいる気配がない。やはり不可解なところがあるな」早速タキのチェックが入る。


「しかし、彼のほかに誰かいる気配がする」ショウも謎解きを始めるので「今は、冷めない内にいただくほうが先だと思うけど」ラルが口を挟むと「確かにな。ではいただきます」フォークを取るカイが思い出して「そういやあタキ、例の鏡はどうなったんだ?」


「ラル、俺の服のポケットに起爆装置が入ってたはずだが」

「押したわよ。盛大な爆音が聞こえたわ」

「そうか。鏡のほうは成功だな。しかし」


「絶対おかしいぞ。古城の中にいた連中でさえ、彼らが映像に変わってたことを知らなかったんだぜ」

「本部に何か情報が入ってるかもしれない。あとで連絡してみよう」


「古城の確認はどうするの?」

「どうせジープのところまで戻らなければならない。その途中で確認すればいい」


 食後、屋敷の主人が紅茶を出してくれた。


「なあ爺さん、屋敷の中を見せてくんねえか?」カイが聞くと「断る」と即答。

「いいじゃん。べつに減るもんじゃねえし」


「カイ、あまりしつこく言うと悪いわよ。こうやってお世話になってるんだから」

「何か不都合なことでもあるんですか?」ショウが聞くと「私一人だから、使ってない部屋は掃除をしてないんだ」と不愛想に答える。


「昔、どこかの製造工場に勤めてたと聞いたんだが」タキが話し掛けると「それを飲み終わったらさっさと出てってくれ。知らん奴に根掘り葉掘り聞かれるのは好かん」つっけんどんに言い返すと、お皿を片付けて出ていく。


「チェッ! 何だよ、あれ」

 その時、席を立つタキがドアへ向かうので「どこ行くんだ?」カイが声を掛けると「ちょっとな」


「この階のトイレは、階段の差し向かいにあるわよ」

「いつトイレに行くと言った?」

「あら、違うの?」


「オッ、屋敷の探検か? 俺も行くぞ」カイが立ち上がるので「行っても無駄よ。どの部屋も鍵がかかってて入れなかったわ。ついでに、本館へ行くドアも鍵が掛かってたわよ」


「もう確認してたのか。で、怪しいところはなかったか?」タキが戻ってきて席に着くと「全然わからなかったわ。何も調べられなかった。至るところに監視カメラがあって、これみよがしに音を立てて監視されたわ」


「そういやあ、俺たちが部屋を出てからずっと見張られてたな」


「胡散臭いな。やはり調べる必要がある」タキが再び席を立つので「無駄よ。私たちはこの別館から出られないわ。どの出入り口も鍵がかかってたもの」


「爺さん一人しか住んでないと言うわりに、ずいぶんと厳重な警備を引いてるな」不信感が拭えないショウ。


 そこへお爺さんが顔をだし「これから出掛けなきゃならないのだが」と言うので、四人は席を立った。


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