16-2 作戦開始 潜入
しばらく行くと「ここだ」先頭のカイが、いくつも明かりが漏れている中の一つのところで止まる。
通風孔から中を覗くと、照明を落とした部屋に、五名のシルバーフェニックスが一ヶ所に固まって座っているのが見えた。
「行くぞ」通風孔の蓋を取ると、ロープを垂らして部屋に降りる。
部屋の中を見回すと五名だけで使うにしては広く、植物がふんだんに置かれているが、大きな窓の外側が厚いブロックで覆われているので、圧迫感があった。
「外から見たかぎりじゃシャレた建物なのに、こんな所に閉じ込められてちゃ、気が狂っちまうよ」彼らを起こさないように小声で話すと「ゴールデンケージよ」ラルが静かに言う。
「何だそりゃ」
「黄金のカゴ。いくらカゴを贅沢に作っても、閉じ込められてる鳥には関係ないということよ」
「外見が良くても、中に閉じ込められてる鳥に、自由がないのは変わらねえってことか」
その時、廊下をこちらへ向かってくる足音が聞こえてきたので「誰か来るぞ。隠れろ」
ラルが近くのクローゼットに隠れるとカイはロープを伝って通風孔に戻り、ロープを手繰り寄せる。
ドアの開く音がすると「なんだ、晩飯も食ってねえじゃねえか」と男の声が聞こえてきて「何度注意すれば、その口の聞き方が直るんですか?」別の男が注意する。
「すまねえ」
「言ってる傍からこれですから」
「あ、いや……その……」
「それにしても変ですね。今日に限って一口も食べないなんて、今までこんなことありませんでしたよ」
「病気になっちま……なってしまったんじゃないですか?」
「この前検診したときは、異常なかったんですよ」
「もう一度診てもらったほうがいいんじゃねえ……ないですか?」
「我々は彼らに近寄れませんからね。明日、本部に連絡して手配してもらってください」
「ヘイ! あ、はい!」
ガチャガチャと食器を運ぶ音がすると、ドアが閉まった。
足音が遠ざかるとカイが通風孔から降りてきて、クローゼットの扉を開けるとラルが出てくる。
「ビックリした。こんな時間に見回りが来るなんて、驚きだぜ」
「あの様子からすると、彼らに何かあったみたね」
「でも、閉じ込められてりゃ、反発したくなるのもわかるぜ」
「それはそうだけど」
「あれ?」
「どうしたの?」
「変だぞ」
「何が?」
「彼らを見てみろよ」
「どうしたの?」
「俺たちが通風孔から覗いたときと、まったく同じなんだよ」
「同じ?」
「全然動いてねえんだよ。いくら寝てたとしても、俺たちがこうして話してたら普通起きるだろう? なのに、振り向きもしねえ」
カイが彼らのところへ行くと「おい! こりゃ映像だぞ!」差し伸べる手が彼らの体をすり抜けていく。




