20-3 水面下の保護団体
「それは、例の金属片と、助けたシルバーフェニックスの女性からもらったと言ってる、今も付けてるそのイヤリングだよ」
「これらがどう繋がるの?」
「俺がどこまで考えてるか、知りたいか?」
「もちろん」
「ま、いいだろう。話してやるよ。まずはあの金属片だ。あれには大いに興味を持った。あれは、グループから支給されたものなんだろう?」
「さあ」
「ま、惚けるのもいいさ。彼らの姿を変えることができるあの金属片を作るには、彼らの体質を理解してないとできないことだ。裏を返せば、理解してるから作ることができる。なぜ理解できたのか。それは彼らの協力があったからか、元々彼らが持ってたかだろう。なんにせよ、彼らがグループを信頼してないと作れないし、使えない」
「それで?」
「二つ目は、お前が今も付けてるイヤリングだ。それの説明を聞いたとき、信じることはできなかった。その時すでに金属片の存在を知ってたからな。きっとそれにも何か絡繰りがあるはずだ」
「信じようが信じまいがそれはあんたの勝手だけど、あの話は本当よ。これは私しか持ってないわ」
「じゃあ、どうしてそれを見ると彼らが味方だとわかるか、その仕組みはなんなんだ?」
「知らないわよ。教えてくれなかったんだから」
「本当か?」
「本当だって言ってるでしょう」
「じゃあ、なんでグループに報告して、分析してもらわないんだ?」
「それは、彼女の信頼を壊したくないからよ」
「壊す?」
「彼女は、私個人を信頼してこのイヤリングをくれたのよ。確かに、分析して大量に作れば保護は今よりスムーズに行くでしょうね。でも、その中の一つが外部に流出して、最悪、狩りの首謀者たちの手に渡ったらどうなる? 逆効果になるでしょう?」
「まあ、確かにそうだな」
「これは金属片とは役目が違うわ。危険なアイテムになる可能性があるのよ。だから黙ってるの」
「じゃあ、どうして俺に話したんだよ」
「それは……つい口が滑っちゃったのよ」
「俺が能天気な奴だと思って、話してしまったんだろう?」
「自分で言うの?」
「そうだとしか思えないから」
「……そのとおりよ。こんな曲者だとわかってたら話さなかったわ」
「次から気を付けるんだな」
「言われなくても、十分気を付けるわよ」
「とにかく、これらの点からいっても、グループのほうがPFSより彼らの信頼を得てるという証拠になる。俺は、どうして彼らがグループを信頼してるのか、その理由が知りたい」
「知ってどうするの?」
「理由がわかれば彼らと話すことができる。彼らと交流することができれば、何か改善策を模索できると思う。そこから突破口を作りたいんだ」
「もし、あんたの言うようにグループが彼らの信頼を得ていて、話ができる状態だとしたら、グループがとっくにやってると思わないの?」
「思ってるさ。でも、今現在、そのような動きも情報も一切入ってこない。水面下で動いてるからだとしたら、これからどんな事をしようとしてるのか、そのことが知りたい」
「知ったら何かできるというの?」
「そんなこと、今わかるわけないだろう?」
「……それもそうね」
「とにかく、PFSより上をいく保護団体があると知ったら、いても立ってもいられなくなったんだ」
「なるほどね。あんたがどういう気持ちで加入を申し出てるのか、わかったわ」
「生半可な気持ちじゃないぞ」
「……そうね」
「さあ、そっちの話の続きを聞かせてくれ」
「……今の時点で話せることは、少ないわ」
「言える範囲でいい」




